~基本的すぎてあまり紹介されない、ちょっと便利なTips紹介~
『Houdiniかんたんレシピ』は、Houdiniを使っていく上で、基本的なことですが基本すぎてチュートリアル等で紹介されないような、ちょっとしたTipsや、ニッチな機能を紹介していくシリーズです。
かんたんレシピ第17回目は、初期オブジェクトです。
初期オブジェクトというのは、TABメニューからCameraやGeometoryを作る時に作られるオブジェクトのことです。
これらのオブジェクトの基本的なものは外部スクリプトの形で存在します。
デフォルトだと$HFS/houdini/scriptsの中にあります。
例えばカメラだと、$HFS/houdini/scripts/camera.cmdがカメラを作るスクリプトファイルになります。
($HFSはHoudiniをインストールしたフォルダになります)
このスクリプトファイルを修正することで初期のオブジェクトの設定を変更することができます。
$HFS/houdini/scripts から必要なcmdファイルを$HOME/houdini17.0/scriptsにコピーすることで、
元のファイルを変えなくてもユーザーごとに設定することができます。
これらのスクリプトファイルはhscriptで記述されています。
例えばデフォルトのカメラのレゾリューション設定が1270×720になっているのを、
1920×1080にして初期位置をZ座標の0,0,10に移動した状態にする時は以下のように書き換えます。
カメラを作るスクリプトファイルのcam.cmdに
opparm $arg1 t ( 0 0 10 ) res ( 1920 1080 ) |
という一行を書き加えます。
houdiniを立ち上げ直してtabメニューからcameraを作成すると、修正されたカメラを作ることができます。
このようなパラメータの初期設定を変えるだけであれば、
スクリプトファイルを作らなくても変更したパラメータを初期値として保存することで
カメラを作った時に、そのパラメータのカメラを作ることができます。
スクリプトファイルはhscriptのファイルなのでパラメータの変更だけでなくGeometryの中身も変えることが出来ます。
例えばGeometryを作るgeo.cmdを書き換えることでGeometryを作るたびに、
任意のwelcomeメッセージを表示することができます。
Geometryを作るgeo.cmdに
# Node font1 (Sop/font) opcf $arg1 opadd -e -n font font1 opparm font1 type ( poly ) file ( ‘Lato Bold’ ) text ( ‘Welcome\nHoudini’ ) halign ( center ) opset -d on -r on -h off -f off -y off -t off -l off -s off -u off -F on -c on -e on -b off font1 opcf .. |
上記のFontSOPを作るスクリプトを書き加えると、
Geometryを作るたびにWelcome Houdiniの文字が作られるようになります。
OBJ以外にもSOPノードもあるので、色々試してみて下さい。