2020年10月20日、SideFX社よりHoudini18.5がリリースされました。
こちらの記事では、Houdini18.5から新たに「追加されたTOPノード」を画像と合わせてご紹介します。
また、その他にもHoudini18.0で「バックポートとして実装されたノード」やHoudini18.5で「改良されたノード」とHoudini18.5から「非推奨になったノード」も併せて記載しています。
下画像は、Houdini18.5で新たに追加されたTOPノードの一覧です。Houdini18.5では、新たに2つのTOPノードが追加されました(※Houdini18.5.351 時点)。
ここからは、新たに追加されたTOPノードをご紹介します。
Filter by State
上流のワークアイテムをそのステートでフィルタリングします。
このノードは、上流のワークアイテムをクック状態でフィルタリングします。ステートフィルタに、一致するアップストリームアイテムごとに新しいワークアイテムが作成されます。フィルタに一致しないアップストリームアイテムには、新しいワークアイテムは作成されません。
Range Extend
上流のワークアイテムのフレーム範囲を拡張し、必要に応じて新たなワークアイテムを追加します。
例えば、フレーム1から100までのシミュレーションをクックするROP Geometryノードを有する場合、このノードを使用して、フレーム1から120までの範囲を拡張することができます。
下画像は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されたノードの一覧画像です(※Houdini18.5.344時点)。4つのノードがバックポートとしてHoudini18.0に実装されました。
Attribute Rename
ワークアイテムのアトリビュート名を変更します。
このノードは、入力されたワークアイテムからアトリビュートのリストの名前を変更します。(正確には、入力されたワークアイテムのクローンを生成しますが、いくつかのアトリビュートがリネームされます)
Filter by Range
指定されたフレームまたはアトリビュート範囲内にある上流のワークアイテムをフィルタリングします。
このノードは、Filter by Expressionノードの特化したバージョンです。これを使用して、指定された範囲内または範囲外のワークアイテムをフィルタリングすることができます。また、フレーム値、インデックス、またはcustom numericアトリビュート値を使用してワークアイテムを一致させるかどうかを選択することもできます。
Range Generate
指定した範囲のワークアイテムを生成します。
このノードを使用して、Value Rangeパラメータで定義された範囲内にワークアイテムを生成することができます。範囲は、フレーム、インデックス、またはカスタムアトリビュート値で設定できます。このノードに入力ワークアイテムがある場合、各入力に対して範囲内のワークアイテムも生成されます。
下画像は、Houdini18.5で改良されたノードの一覧画像です(※Houdini18.5.344時点)。 Houdini18.5では、36個のノードが改良されました。
ここからは、Houdini18.5で改良されたノードのパラメータなどをご紹介します。
Attribute Copy
あるブランチのワークアイテムのアトリビュートを他のブランチのワークアイテムにコピーします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のAttribute Copy TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Cook Source Items Before Copying]パラメータが追加されました。
Attribute Delete
ワークアイテムからアトリビュートを削除します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のAttribute Delete TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Missing Attribute]パラメータが追加されました。
Partition by Attribute
アトリビュートに基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Attribute TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブの[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Command Server End
サーバーブロックを終了します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のCommand Server End TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Merge Operations]、[Apply Operation]、[To Attributes]パラメータが追加されました。
Text Output
テキストを新しいファイルに書き出したり、既存ファイルに書き足します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のText Output TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Work Item Generation]パラメータのプルダウンが[All Upstream Items are Generated]、[All Upstream Items are Cooked]、[Each Upstream Item is Cooked]、[Automatic]に変更されました。
Map by Expression
エクスプレッションを使って、上流のワークアイテムを下流のワークアイテムにマップします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のMap by Expression TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Use Dynamic Mapping]パラメータが削除されました。
Map by Range
範囲を使って上流のワークアイテムを下流のワークアイテムにマップします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のMap by Range TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Dynamic Mapping]パラメータが削除されました。
Partition by Bounds
境界アイテムを使って、ソースアイテムを空間的に分割します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Bounds TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Merge Input Attributes]パラメータが削除されました。
Partition by Combination
ワークアイテムを2個毎、3個毎などに区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Combination TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Comparison
既存の比較を使ってワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Comparison TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも、1つ上のPartition by Combination TOPと同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Expression
エクスプレッションに基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Expression TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも、同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Index
インデックスに基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Index TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも、同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Node
ノードに基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Node TOPのパラメータを比較した結果です。
同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Range
範囲に基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Range TOPのパラメータを比較した結果です。
同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Python Partitioner
Pythonスクリプトを使ってワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPython Partitioner TOPのパラメータを比較した結果です。
同様に、18.5から[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Partition by Frame
フレームに基づいてワークアイテムを区分けします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のPartition by Frame TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Merge Attributes]タブ、Frameタブに[Missing Frame]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
Wait for All
上流のワークアイテムすべてが完了するのを待ちます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のWait for All TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Merge Attributes]タブとAdvanceⅾタブに[Parition When]、[Partition Target(s)]、[Custom Target Node]、[Allow Partial Matches]パラメータが追加されました。
File Compress
ファイルをアーカイブに圧縮します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のFile Compress TOPのパラメータを比較した結果です。
新たにTOP Scheduler Overrideパラメータにプルダウンが追加されました。
File Copy
実行時またはノードがファイルを生成した時に、ファイルをある場所から別の場所にコピーします。
下画像は、Houdini18.0と18.5のFile Copy TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも1つ上のFile Compress TOPと同様に、TOP Scheduler Overrideパラメータにプルダウンが追加されました。
Geometry Import
SOPまたはジオメトリファイルのポイントまたはプリミティブをワークアイテムアトリビュートまたは一時ファイルに読み込みます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のGeometry Import TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも、上記と同様に、TOP Scheduler Overrideパラメータにプルダウンが追加されました。
Invoke
入力ジオメトリに対してコンパイルブロックを呼び出します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のInvoke TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも、上記と同様に、TOP Scheduler Overrideパラメータにプルダウンが追加されました。
File Decompress
入力のワークアイテムで指定されたアーカイブファイルを個々のファイルに解凍します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のFile Decompress TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5から[Generate When]パラメータと、TOP Scheduler Overrideパラメータにプルダウンが追加されました。
HDA Processor
デジタルアセットをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のHDA Processor TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに、Generationタブに[Debugging]パラメータが追加され、[Job Options]タブが[Service]タブに変更されました。
ROP Alembic Output
埋め込まれたROP Alembic ROPノードをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP Alembic Output TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに[Scripts]タブ、[Service]タブが追加されました。
ROP Geometry Output
埋め込まれたGeometry ROPノードをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP Geometry Output TOPのパラメータを比較した結果です。
こちらも1つ上のROP Alembic Output TOPと同様に、18.5から[Scripts]タブ、[Service]タブが追加されました。
ROP Composite Output
埋め込まれたComposite ROPノードをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP Composite Output TOPのパラメータを比較した結果です。
上記と同様に、18.5から[Scripts]タブ、[Service]タブが追加されました。
ROP USD Output
組み込まれたUSD ROPノードをクックするワークアイテムを作成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP USD Outputのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Separate File Per Frame]、[Asset Processing]パラメータが削除されました。
また、新たに[Scripts]タブ、[Service]タブが追加され、[Strip Layers Above Layer Breaks]、[Flush Data After Each Frame]パラメータが追加されました。
ROP Mantra Render
埋め込まれたMantra ROPノードをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP Mantra Render TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Service]タブが追加されました。
ROP Fetch
ROPノードまたはROPネットワークをクックするワークアイテムを生成します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP Fetch TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Service]タブが追加されました。
ImageMagick
一括で画像変換、サイズ変更、画像モザイクなどのImageMagickの機能に簡単にアクセスすることができます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のImageMagick TOPのパラメータを比較した結果です。
Houdini18.5からパラメータが大幅に改良されたことが確認できます。
In Process Scheduler
In-Processワークアイテムのスケジューリングを制御します。
下画像は、Houdini18.0と18.5のIn Process Scheduler TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに、[Run on Main Thread]パラメータが追加されました。
Local Scheduler
ローカルマシン上でワークアイテムのスケジュールを組みます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のLocal Scheduler TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに、[Path Mapping]、[Path Map Zone]、[Verbose Logging]パラメータが追加されました。
Tractor Scheduler
PixarのTractorを使ってワークアイテムのスケジュールを組みます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のTractor Scheduler TOPのパラメータを比較した結果です。
新たに、Schedulerタブでは、[Use Session File]、[PDG Path Mapping]、[Path Map Zone]、[Temp Directory]パラメータが追加されました。
また、Job Parmsタブでは[Non-Zero Exit Code Handling]パラメータが追加されました。
Block End Feedback
For-Loop with Feedbackブロックを終了します。このブロック内のTOPノードは直列で実行され、オプションで入力のワークアイテム毎にループさせることができます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のBlock End Feedback TOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Use Dynamic Partitioning]パラメータが削除されました。
また、新たに[Merge Operations]、[Apply Operation]、[To Attributes]パラメータが追加されました。
Sort
アトリビュートのリストからワークアイテムを並べ替えます。
下画像は、Houdini18.0と18.5のROP USD Outputのパラメータを比較した結果です。
18.5では、[Use Dynamic Partitioning]が削除されました。
以下のノードは、Houdini18.5で非推奨になりました。