Houdini19 新機能と改良


Houdini 19は、2021年10月27日(水)にSideFX社よりリリースされました。

▼YouTube 一般公開:Houdini19 紹介動画!

YouTube Indyzoneチャンネルでは、 リリースに先駆けHoudini19の注目機能をピックアップして、実際にHoudiniを触りながらご紹介しています!

こちらの動画では、 「Solaris」「Karma」「FEM」「RBD」「Vellum」「Pyro」 の新たに追加された機能と改良された機能をあわせてご紹介しています。 動画内にはテロップを挿入して分かりやすく主要機能をご紹介しています!


こちらの動画では、 「KineFX」「Muscle&Tissues」「Grooming」「Modeling」「Terrain」 の新たに追加された機能と改良された機能をあわせてご紹介しています。



▼YouTube 一般公開: INDYZONE CAFE Houdini19 KineFXについて

こちらの動画では、Houdini19 KineFXの新機能「 Mocap Stream SOPノード 」や「Ragdoll」系のノードを使用した例について、実際にHoudini19を触りながら、ご紹介しています!


また、こちらの記事では、Houdini 19の「新たに追加された機能」と「改良された機能」についてご紹介します。

(下記のアイコン画像をクリックすることで、各項目に移動することができます。)


Solaris

  • 新たに「Component Builder」が追加され、SOPジオメトリからコンポーネントモデルを作成することが容易になりました。
  • 「Layout Asset Gallery」機能が追加され、USDデータをサムネイル画像付きで単一またはフォルダ毎に読み込むことができます。また、サムネイル画像に対して色表示を指定できるため、視覚的にも画像を参照しやすくなりました。
  • 新たに追加された「Layout LOP」を使用することで、Layout Asset Gallery内のUSDデータを読み込むことができます。

Karma

  • CPU、GPUでも動作するKarmaのテクノロジープレビューXPUエンジンが含まれています。
  • このバージョンのKarmaは、MaterialXシェーダーノードグラフで定義されたマテリアルをサポートしています。
  • ライトを指定するには、.IESファイルを使用します。 IES(Illuminating Engineering Society)は、物理的にリアルな(フォトメトリックな)ライトの物理的特性を指定するためのファイルフォーマットを定義しています。
  • Karmaからオブジェクト名やマテリアルのクリプトマットAOVをレンダリングできるようになりました。

KineFX

  • 新しいMocap Stream SOPノードを使用して「Perceptron Neuron」「Rokoko」「Xsens」「Vicon」「Optitrack」「Faceware」のモーションキャプチャシステムや iOSアプリ「Live Link Face」のための、リアルタイムでのネイティブなモーキャプ駆動のパペット操作が可能です。

Muscle & Tissues

  • Houdini19のキャラクターエフェクトでは、筋肉や皮膚などの組織部分のシミュレーションがSOPベースで行うことができるようになりました。
  • 新しい「Muscles & Tissues」システムでは、モデル化されたポリゴンジオメトリを持ち込み、そのジオメトリからリアルな筋肉の動きや、皮膚の効果を模倣したマルチレイヤーのシミュレーションを生成することができます。
  • こちらの機能は、現在ベータ版です。

Grooming

  • Groomシェルフツール上の「Guide Processes」タブによってGuide Groom SOPを作成し、ビューポートの状態を「Groomingモード」に切り替えることができます。 このツールと新しいGrooming ラジアルメニューを組み合わせることで、ファーをすばやくインタラクティブに描き、スタイリングすることができます。

Modeling

  • 新たにVolume Deform SOPが追加されました。ノードを使用することで、爆発の煙や炎に対して、捻りなどの表現を加えることができます。
  • Curve SOPが改良され、ベジェ曲線を描ける機能が追加されました。
  • Topo Transfer SOPが改良され、ジオメトリの剛体部分をマスクすることができます。これにより、形状を変形する部分と保持する部分を指定することができます。

Terrain

  • Height Field Quick Shade SOPでは、水や氷などの光沢のある地形の表面の見た目を改善するために、レイヤーごとの粗さ(Roughness)がサポートされました。

FEM

  • FEM Slide Constraint DOPFEM Attach Constraint DOPノードは、ハードコンストレイントされたポイントをソースとして受け付けるようになりました。これにより、アニメーションオブジェクトをハードコンストレイントされたFEMオブジェクトとして使用したい場合に、FEMでのコンストレイント設定をより正確に行うことができるようになりました。

Vellum

  • Vellum のグレインおよび流体は、Vellum Configure Grains SOP を使用して設定されます。粒子(Grain)/ 流体(Fluid)の解析用に設定されたポイントにこれらのアトリビュートを設定するパラメータが追加されました。
  • Vellum Brush SOPは、これまでメッシュタイプのコンストレインに限られていたグレインや流体に対する、リアルタイムな操作が可能になりました。

RBD

  • 新たにDebris Source SOPが追加されました。これにより、RBDとPyroの間のギャップを埋め、RBDシミュレーションからのダスト(破片やほこり)の放出を容易行うことができます。
  • Bullet Solver DOPに新しいEnable Agingパラメータが追加され、POP Solverと同様に、オブジェクトのageアトリビュートを更新し、lifeアトリビュートが存在する場合は、それを超えたオブジェクトを削除することができるようになりました。
  • 新たにコンストレインを視覚化および管理するためのペイン「Constraint Browser」が追加されました。

Pyro

  • Pyro Burst Source SOPに「Burst Type」パラメータが追加され、「Explosion」「Muzzle Flash」「Shockwave」「Blast Rings」を選択できるようになりました。
  • 新たに追加されたGas Axis Force DOPは、煙を強制的にラインの周りを周回させたり、ラインに沿って移動させたり、ラインに向かって吸い込ませたりすることができます。
  • 新たに追加されたParticle Trail SOPは、入力されたパーティクルからトレイルを生成し、火花、花火、雨などのレンダリングに使用できます。



ここからは、各項目ごとに、Houdini 19で「追加された機能」および「改善された機能」の詳細をご紹介します!

・ 新しく追加されたLayout nodeを使用して、任意の位置や範囲に対して、オブジェクトを散布、ペイント、および強力なインターフェイスを使用して配置するオブジェクトをインスタンスできます。
また、ここで使用することが可能な新しいカスタムブラシを、SOPネットワークに基づいて設計できます。

・ 新しいAsset Gallery Pane Type を使用することで、Layoutツール(ノード)で使用するUSDコンポーネントアセットのライブラリを読み込み、保持できます。
こちらは、新しいタブとして追加されており、New Pane Tab Type > Solaris > Layout Asset Galleryにて、新しく「Layout Asset Galleryタブ」を開くことで使用できます。

・ 補足ですが、この機能は、Layout LOP内にも実装されており、ノードのパラメータビュー下側のクマのマークをクリックすることで別ウィンドウにて「Layout Asset Galleryタブ」を開くこともできます。

Scene Import LOPは、従来のHoudiniのオブジェクトレベルのシーンをUSDシーンに変換できます。
Pythonによって、Scene Import LOPが特定のHoudiniオブジェクトノードタイプをUSDに変換する方法をカスタマイズすることも可能です。
例として、独自のレンダラに関連付けられたライトやカメラタイプなど、カスタムノードタイプを変換する場合に有効な機能です。

Component builder toolのワークフローでは、SOPでモデルを構築し、バリアントやマテリアルなどのオプションを使って、適切にUSDにインポートするためのネットワークを設定します。
こちらのワークフローを使用することで、Layout LOPにて(Layout Asset Galleryに読み込み)使用するコンポーネントUSDデータと、読み込む際に使用するサムネイルを出力できます。

Restructure Scene Graphは、フラット化されたレイヤースタックでのPrimの名前の変更、親の変更、および削除が可能なノードです。
このノードは、USDワークフローが通常推奨しない方法で、Scene graphのより破壊的な編集を可能にします。
ただし、レイヤースタックが単一のレイヤーにフラット化されことで、このノードはプリミティブとバリアントの名前を変更、削除、および再ペアレント化できます。

Modify Pathsを使用することで、パスを別の拡張子に変更するなど、アセットのパスアトリビュートの編集が可能です。

Copy Propertiesを使用すると、Primプロパティの名前の変更や、Prim間で値をコピーすることが可能です。

・ USDライブラリをバージョン21.08に更新しました。

・ Solaris Viewerでは、Scene graph内で選択されたオブジェクトに対して、全体に色を付けるのではなく、オブジェクトのアウトラインのみに色をつけ、表示されるようになりました

・ Houdini OpenGLを使用した場合は、トランスフォーム可能なインスタンスや、何千ものライト/カメラガイドの描画が非常に高速になります。

Resample Transforms LOPは、既存の時間サンプルを使用して、高速変換(特に回転)を使用したプリミティブのモーションブラーを改善します。

Graft Branches LOPは、グラフトされたブランチのマテリアルやトランスフォームを、移植先の親からではなく、移植元から継承する設定ができるようになりました。

Add Variantには、整数のコンテキストオプションVARIANTINPUTがあり、これはノードへの各第2入力に対応しています。

Asset Reference にバリアントのコントロールが追加されました。

Instancer LOPは、Lightsをインスタンス化する際に「inputs:」をプレフィックスとして使用し、UIを合理化します。

・ Solarisビューポートのfront view に foreground imageを重ねることができるようになりました。

・ 新しいtree matching pattern syntaxによって、USDツリー検索/自動コレクションの新しいシンタックスが追加されました。
%kind(component)

これにより、パターンを 引数として使用できます。
例 : %ancestors(%kind(component) & /path/geo/**)

また、多くのマッチタイプが一新または改良されました。

・ LOPノードのプリミティブパターンは、ステージ上のpure override primと一致するようになりました。
それにより、ビューポートオーバーライドをネットワーク内のInline USD node にベイクできます。

・ Viewerは、シーンデータにてアンロードとマークされている場合でも、Payloadをロードして表示できるようになりました。

・ Viewerで、Primを編集する際の T/R/E/Enterホットキー の動作をより一貫したものに変更しました。

・ スナップUIが改善されました。

Viewerの更新を一時的に停止するための新しいボタンがツールバーに追加されました。
こちらが有効になっている場合は、ノードやシーンビューを操作した場合にシーンビューに対して操作が反映されず、有効にしたタイミングのシーンビューレンダリングを継続できます。

・ レンダラごとに異なるrender purpose、viewport override、load maskを選択できるようになりました。

・ SOPネットワークのインポートで、SOPレベルのマテリアルの割り当てに対応しました。

・ SOPからボリュームをインポートできるようになりました。

・ インポーターは、対応するUSD primのvisibilityアトリビュートをオーサリングするため、時間の経過とともにオブジェクトの有無を追跡できるようになりました。

・ USDシーンをSOPシーンに戻す(変換する)ための新バージョンの LOP Import SOPUnpack USD SOPが追加されました。

Configure Primitive では、Primを「not editable」(編集不可)としてマークできます。これを使用して、ビューがロックされている際にカメラ/ライトを誤って動かしてしまうなどを防ぐことができます。

・ Tab Viewerのメニューには、デフォルトのタブのコンテンツ全体ではなく、LOP関連のツールのみが表示されるようになりました。

・ テストジオメトリノードは、パフォーマンスを向上させるために、SOP出力を変換するのではなく、USDレイヤーファイルを参照するようになりました。

・ prim specifierをトラッキングし、継承されたprimverを計算する新しいVEX関数が追加されました。

・ USDカメラに「exposure」(露光)のアトリビュートがサポートされました。

Implicit prototypeがシーンツリーに表示されるようになりました。

Scene graph detailsペインに、マテリアルの割り当てが表示され、マテリアルへのナビゲーションができるようになりました。

・ よくアクセスするPrimをScene graph Treeの一番上に固定できるようになりました。

・ 選択されたすべてのPrimを表示するために、Scene graph Treeを自動的に展開することができるようになりました。

・ 選択されたPrimを含む閉じたブランチの色を変えることができます。

・ Scene Graph Treeは、USDプリミティブのIsHidden()メタデータを尊重し、インターフェイスからユーティリティプリミティブを隠すことを目的としています。
Configure Primitivsは、Scene Graph Treeのインターフェイスからプリミティブを隠すためにも使用できます。

・ バックグラウンドスレッドでレンダーギャラリーにスナップショットを追加できるようになりました。
このスレッドでは、レンダリングが終了するまでスナップショット画像が更新され続けます。
スタジオでは、バックグラウンドレンダリングを起動するスクリプトをカスタマイズして、ファームに割り当てることができます。





Rendering

Karma CPUが製品化されました(ベータ版ではありません)。Karma XPU engineは、アルファプレビューとして提供されています。

・ Karmaは、オブジェクト名や素材のcryptomatte AOVをレンダリングできるようになりました。

Background Plate LOPを使った新しいホールドアウト/マットオブジェクトのワークフローが提供されました。

・ 使いやすい物理ベースの新しいKarma Hair Shader VOPが追加されました。

render snapshot gallery では、スナップショットのライブバックグラウンドレンダリングを起動できるようになりました。custom background render pluginを作成して、ファーム管理ソフトウェアを使用したレンダリングをサポートすることができます。

・ Karmaは、.mtlxファイルとVOPシェーダーネットワークで定義された両方のMaterial X shadersをレンダリングできるようになりました。サポートされている機能と制限については、 Material X helpを参照してください。

・ Karmaがポータルライトをサポートするようになりました。.iesファイルで指定されたライトに新たに対応しました(LightsのShapingタブ内) 。

Edit Material Properties LOPEdit Propertiesと似ていますが、UsdShade APIに特化しています。 Unassign Material LOPは、マテリアルバインディングを削除します。

・ フル機能のPhysical Lens VOPに加えて、低レベルのPhysical Lens Core VOPが用意されており、コア機能の上に独自のレンズシェーダーを構築することができます。

・ カメラフラスタムに合わせた形状のボリュームを作成できるようになったので、カメラから離れた場所にあるボクセルの数を減らすことができます。Volume SOPでは、「from camera」パラメータを使用して、ボリュームをカメラの視野に合わせることができます。(新しいテーパリングコントロールは、カメラへのフィット以外にも有効です。)

・ Karma が path guidingをサポートしました。これにより、コースティクスのような難しい照明や、ほとんどが間接照明のシーンで、間接サンプリングを改善することができます。

PolyFrame SOPで、MikkT-styletangentuとtangentvアトリビュートを生成できるようになりました。

Karma LOPのパラメータインターフェイスが再設計されました。

・ Houdiniオブジェクトレベル(non-USD)シーンのレンダリングのためのKarma ROPノードが追加されました。

・ Karmaがディープカメラマップのレンダリングをサポートしました。

・ 群集エージェントのモーションブラーが改善されました。

・ サンプリングが改善されました。

・ IPRのファーストピクセルパフォーマンスが改善されました。

・ アルベド AOV 出力が改善されました。

・ 髪の毛や毛皮を表現するために使用されるUSD の“pinned curves”を Karma でレンダリングできるようになりました。




Animation Retargeting

Rig Pose SOPノードのステートにある新しいモーションパスハンドルを使って、ビューポートでキーフレームを操作できます。モーションパスの使い方ハンドルパラメータウィンドウも参照してください。

・ 新しいTransform LimitsガイドEnforce Transform Limitsオプションにより、Rig Pose SOPノードの状態でジョイントの回転制限を視覚化し、強制することができます。

 Rig Pose SOPノードのビューポートのステートが、複数のCompute Rig Pose SOPノードを含むHDAに接続されている場合、複数のSOPノードからジョイントを複数選択できるようになりました。

・ HDAキャラクターのビューポートに表示するスケルトンコンポーネント(ジョイント、ポリライン、コントロールオブジェクトなど)や、スケルトンのリンクの長さに応じて表示する幅を、新しいConfigure Rig Vis SOPノードまたはRig Pose SOPノードの新しいRig Visualizerパラメータで選択できます。

Rig Pose SOPノードの新しいBakeパラメータにより、アニメーション化されたスケルトンのベイクコントロールが改善されました。

Rig Pose SOPノードSet All Transformations to Defaultボタンを押すと、対応するマルチアラームを削除することなく、現在のポーズ設定のすべてのトランスフォーム値をデフォルト値に戻すことができます。

Configure Joints SOPでは、ジョイントの制限を設定するためのビューポートの状態とインタラクティブなハンドルが改善されました。Configure Jointsのビューポート状態も参照してください。

Extract Locomotion SOPノードが Rest Skeleton の使用に対応しました。

MotionClip Blend SOPMotionClip Cycle SOPMotionClip Sequence SOPMotionClip Update SOPの各ノードがジョイントごとのブレンドに対応しました。

MotionClip SOPノードの新しいRecompute Local Transformsパラメータを使って、モーションクリップのローカルトランスフォームを再計算します。

MotionClip SOPノードの新しい Left End Behavior および Right End Behavior パラメータを使用して、MotionClip の範囲外のアニメーションをどのように評価するかを決定します。

・ 新しい MotionClip Extract Key Poses SOPノードを使用して、高密度のアニメーションを含むモーションクリップから重要なキーポーズを抽出します。

・ 新しいMocap Stream SOPノードを使って、Perceptron Neuron、Rokoko、Xsens、Vicon、Optitrack、FacewareのモーションキャプチャシステムやiOSアプリ「Live Link Face」のための、リアルタイムでのネイティブなモーキャプ駆動のパペット操作が可能です。


Input / Output

・ 新しいSOP Character Import LOPノードを使用して、KineFXキャラクターをSolarisに直接インポートできます。

・ 新しいROP GLTF Character Output SOPノードを使用して、KineFXキャラクターをGTLFにエクスポートできます。

Mocap Import SOPノードのASFインポーターがジョイントリミットに対応しました。

FBX Character Import SOPFBX Skin Import SOP、および ROP FBX Chracter Import SOPノードが、マルチレイヤー テクスチャおよびその他の FBX レイヤー要素をサポートするようになりました。


Utilities

・ 新しい低レベルのCache If SOPユーティリティーノードで、KineFXノードがクック、またはキャッシュするタイミングを指定します。これにより、ジオメトリのアトリビュートデータIDに基づいて、SOPネットワークの最適化を行うことができます。

・ 新しい低レベルのAttribute Transform Extract SOPおよびAttribute Transform Compute SOP KineFXユーティリティーノードを使用して、マトリックスアトリビュートとSRTコンポーネントアトリビュートの間で変換できます。


Procedural Motion & Physics

・ 新しい Add Secondary Motion SOPノードを使って、overshoot、lag、jiggle、springなどのモーションエフェクトをアニメーションに追加できます。

・ 新しいRagdoll Constraints SOPおよび Ragdoll Solver SOPノードを使用して、RBDシミュレーションで使用するためにKineFXスケルトンのラグドールを設定します。

・ 新しいRagdoll Collision Shapes SOPノードとそのビューポートのステートを使用して、RBDシミュレーションで使用するKineFXスケルトンコリジョンシェイプを作成します。


Procedural Rigging

Parent Joints SOPにインタラクティブなビューポートのステートが追加されました。

Orient Joints SOPノードの新しい Up Vectorパラメータを使用して 、2番目の入力を使用する場合の反転を防止します。

Skelton Mirror SOPノードの新しいAttributes to MirrorおよびMirror Groupsパラメータで、アトリビュートとコピーグループをミラーリングすることができます。

・ 新しいGuide Modeパラメータにより、Stabilize Joint SOPノードのposition、またはrotationのスタビライズ値をガイドジオメトリで視覚化するか、どうかを制御します。

Realistic Shoulder VOPノードの新しい2.0バージョンでは、axisを指定する必要がなくなりました。

Reverse Foot SOPノードのビューポートのインタラクションステートが改善されました。

Adapt to Terrain SOPノードの新しい 2.0 バージョンでは、hip learn 機能が改善されました。hip learn 機能はFBIKの重心を使用するようになり、カスタムの動作を作成するためにビューポートの状態で変換ハンドルを提供します。

・ KineFXで最も一般的なBiharmonic Capture SOPの設定をカプセル化した新しいJoint Capture Biharmonic SOPノードが追加されました。

・ キャプチャーウェイトペイントのワークフローを改善した2.0バージョンのCapture Layer Paint SOPが追加されました。

Character Blend Shapes Add SOPCharacter Blend Shapes Extract SOPMerge Packed SOPFile Merge 2.0 SOPを使用して、KineFX ブレンドシェイプを作成および修正することができます。


Compatibility

・ KineFXのデザインを明確かつシンプルにするために、Houdini19ではいくつかのKineFXノードとアトリビュートの名称を変更しました。
これらの変更は、Houdini18.5で作成されたKineFXリグやリターゲティングネットワークを使用している場合に影響が出る可能性があります。
これらの変更についての詳細は、KineFX v18.5からv19への移行を参照してください。




Introduction

Houdini v19の新しいVellumベースのMuscle & Tissueシステムで、キャラクターやクリーチャーの筋肉や皮膚をシミュレートできるようになりました。新しい「Muscles & Tissue」システムでは、モデル化されたポリゴンジオメトリを入力し、そのジオメトリからリアルな筋肉の動きや皮膚の効果を模倣したマルチレイヤーのシミュレーションを生成し、そのシミュレーションを高解像度のジオメトリにエクスポートしてショットに統合することができます。


Major concepts

Muscle & Tissueシステムでは、シミュレーションを作成するために4つの主要なステージがあります。
 muscles set-up tissue set-up skin set-up、そして transfer of the final simulationを高解像度のショットメッシュに転送することです。

これらの段階を経てシミュレーションを作成していくと、システムの3つの主要なコンセプトを確認することができます

simulation passes (geometry layers)、 surface attachments、そして forcesとcollisionsです。


Simulation Geometry

Muscleシミュレーションパスの場合、Muscle Solver Vellumノードには以下が必要です。

・physical property アトリビュートとconstraintアトリビュートが設定されたソリッドマッスル

・アニメーション化されたbone surface geometry

Tissueシミュレーションのパスでは、Tissue Solver Vellumノードが必要です。

・physical property アトリビュートとconstraintアトリビュートが設定されたsolid tissue

・基礎となる筋肉と骨のアニメーションを表すアニメーションサーフェス

Skinパスでは、Skin Solver Vellumノードが必要です。

・physical property アトリビュートとconstraintアトリビュートが設定されたソリッドスキン

・組織のアニメーションを表現するアニメーションサーフェス

各シミュレーション・パスは、ソリッド・ソフトボディ・ダイナミック・オブジェクト、つまり四面体で構成されたオブジェクトを操作します。四面体のソフトボディに加えて、融合したポリゴン面も役割を果たします。

例えば、Vellumソルバーでは、スライディングコンストレイントを有効にするために、アタッチメントターゲットとしてポリゴンサーフェスを必要とします。

そのため、各ジオメトリレイヤーには、四面体と多角形サーフェスのエンクロージャが含まれています。

必要なプリミティブタイプの作成は、以下のノードによって処理されます。
Muscle Solidify SOP, Tissue Solidify SOP,Skin Solidify SOP

筋肉は、入力されたサーフェスを四面体化することで生成され、接続されたピースごとに1つの異なる筋肉が作成されます。
筋肉を生成する過程で、各連結ピースには”@muscle_id “として保存されている識別子アトリビュートが与えられます。

重なっている筋肉の表面が共通のmuscle_id値を持っている場合、それらは統合されたエンティティとして四面体化されます。
オーバーラップしている筋肉のサーフェスが異なる muscle_id 値を持つ場合、それらは別々に四面体化され、オーバーラップしたオブジェクトとして残ります。

筋肉のポリゴンメッシュは、ソリッド化の段階では作成されません。
サーフェスはMuscle Solver Vellumノード内にジャストインタイムで作成され、Vellumスライディングコンストレイントのためにのみ必要とされます。


ティッシュはレイヤリングアプローチを用いて生成されます。
おそらく、Muscle and Tissue Systemの中で最も複雑なオブジェクトです。
組織の固体は2つの部分に分かれています。

最も内側の組織層はコアと呼ばれ、コアを囲む層は単に組織と呼ばれます。
コアは、組織と筋肉をくっつける「中間」の役割を果たしています。コアは筋肉や骨にしっかりとくっついていて、組織層の取り付け対象となっています。

また、コアはスケーリングフォースに反応して組織の形状を「内向きに引っ張る」ことで、組織に負圧をかけて筋肉や骨に近づける機能を持っています。
多角形の表面は、Core四面体とTissue四面体の両方を包み込むように作成されます。

スキンは、ポリゴンシェルを持つ非常に薄いソリッドとしても生成されます。
肌のオブジェクトを、ポリゴンの表面だけではなく、ソリッドとしてモデリングすることで、厚さや実体感のある「肉付きの良い」外観をより多くシミュレートすることができます。

皮膚の固体部分は、形状の硬さや体積の保持などの物理的特性を中継し、多角形の表面は、望ましいしわ効果を生み出すための伸縮抵抗を提供することができます。


Attachments

・ Muscle Solids to Bone Surfaces:
どの筋肉がどのアニメーションのボーンをフォローするかをコントロールします。

・ Muscle Solids to Muscle Solids:
グループ、バンドル、または隣接する筋肉を保持し、シミュレーションやボーンのアニメーション中に筋肉が離れてしまうのを防ぎます。

・ Core Solid to Bone Surfaces & Muscle Solids:
アタッチメントは可能な限り強く、硬く設定されています。
制約を直接調整することはできません。
Tissue Solidify SOPのCore Falloffパラメータは、アタッチされる領域を決定します。

・ Tissue Surface to Bone Surfaces & Muscle Solids:
Tissue SurfaceがBone SurfaceやMuscle Solidsのジオメトリにどれだけきつく、または緩くくっつくかをコントロールします。また、スライディングをサポートします。

・ Tissue Surface to Core Surface:
Tissue SurfaceとCore Surfaceとの密着度をコントロールします。
ティッシュをコアから完全に切り離すように弱めることもできます。
Slidingには対応していません。

・ Skin Surface to Tissue Surface:
皮膚の表面が組織の表面にどれだけ密着しているかを決定します。

・ Skin Solid to Tissue Surface:
ソリッドメッシュが組織表面に付着するか、離脱するかの度合いを決定します。



Muscle Constraints

Muscle constraintは、 Muscle Properties SOPおよびMuscle Constraint Properties Vellum SOPを介して設定されます。これらのノードは入力されたmuscleジオメトリを受け取り、単純にアトリビュートを追加・構成してデータを下流に渡します。

最終的に、 Muscle Vellum Solver SOPはこれらのアトリビュート値を物理的プロパティまたはアタッチメント制約に以下の方法で適用します。
・筋肉は、「Muscle Ends」と呼ばれる部分で骨にしっかりとくっついています。
・筋肉から骨への付着部と指定された部分では、筋はバネのように滑るように骨に付着しています。
・筋肉は筋同士の付着部を介して他の筋にバネ性で付着しています。
・筋肉は、「Muscle Glue」アタッチメントに指定された部分で、他の筋肉に対してnon-sliding attachmentで取り付けられています。

どのような場合でも、“firm”アタッチメントは、非常に高い剛性を持ち、静止位置から引き離される力に抵抗することを意味しています。
それ以外のアタッチメントは、剛性と減衰比の特性により、応答性とバネ性のある動作に影響を与えます。


Tissue Constraints

Tissueコンストレインは Tissue Properties SOP で構成されます。このノードは、最終的に Tissue Vellum Solver SOP で必要なコンストレインを作成するために解釈、入力されるTissueジオメトリ上のアトリビュート値を追加および修正します。

Tissueは以下の方法で拘束されます。

・すべてのCoreポイントは、筋肉や骨の入力形状に取り付けられています。
・Tissueレイヤーの内面は、Coreレイヤーの外面に取り付けられています。
・Tissue層の外面は、筋肉と骨の入力ジオメトリにスライディングアタッチメントで取り付けられています。
・また、外面がスライドしすぎないように、距離制限用のアタッチメントも存在します。


Skin Constraints

Skin Constrainは、Skin Properties SOPで設定します。このノードは、入力されたスキンのジオメトリにアトリビュート値を追加・変更し、最終的にSkin Vellum Solver SOPが必要なコンストレインを作成するために解釈します。

スキンは以下の方法で拘束されます。

・すべての内側のSkin(ソリッド)ポイントは、入力された組織表面ジオメトリ上に取り付けられ、スライドします。
・スキンの外面ポイントは、組織表面のジオメトリに別のスライドアタッチメントを持っています。
・外面がスライドしすぎないように、距離制限用のアタッチメントも存在します。

皮膚には2つの独立したアタッチメントが存在し、それぞれを独立して調整できるようになっています。
ソリッドポイントアタッチメントは、皮膚とその下にある組織の間の接続を固定したり、緩めたりするために使用されます。外面アタッチメントは、多角形の外装を組織に密着させ、隙間に深く入り込ませることができます。

以上がMuscles &Tisuusesの工程と、今回作成を行っていたデータの該当箇所をキャプチャしたデータになります。



Groomシェルフツール上のGuide ProcessesタブによってGuide Groom SOPを作成し、ビューポートの状態をGroomingモードに切り替えることができます。このツールと新しいGrooming ラジアルメニューを組み合わせることで、ファーをすばやくインタラクティブに描き、スタイリングすることができます。

・ラジアルメニューを使ったガイドヘアの作成とスタイリングのための新しいワークフローの提供と、Guide Groom SOPが改良されました。

・ Hair UtilsタブにあるCreate Empt Guide Groomシェルフツールで、ガイドカーブのコンテナとしてGuide Groomオブジェクトを新規作成します。このネットワークを作成することで、SOPノードを介してガイド曲線の作成や修正ができるようになります。

・新しいKarma Hair Shader VOPノードが追加されました。
・髪に含まれるメラニンの量をVOPノードの”Melanin”パラメータから変更できます。




  • Curve SOP:ベジェハンドルと自動ラウンドコーナーを備えた、ユーザーフレンドリーな曲線描画ツールが新たに追加されました。


  • UV Editノードのインタラクティブ性が向上しました。

  • GLTFの転送のサポートを改善しました。GLTF SOPノードのデフォルトがScene(Load Byパラメータ)による読み込みになりました。
  • GLTF ROPおよびROP GLTF Output SOPノードがより多くの機能を出力するようになり、プリレンダースクリプトやポストレンダースクリプトなどのQuality of Lifeが向上しました。

・File Cache 2.0
新しいFile Cache 2.0は、入力をキャッシュし、以降は、入力をクックする代わりにキャッシュを使用したいという一般的なワークフローにおいて役立ちます。

Houdini18.5

Houdini19


・ 新しいRemesh to Grid SOP が追加されました。

TopoTransfer SOPが改善されました。TopoTransferは、接続されたジオメトリを必要としなくなりました。編集中に剛体部分をマスクしたり、サーフェスのテクスチャを確認したりすることができます。

PolyExtrudeが改良されました。

UV Editで、ビューアの現在のUVアトリビュート名を使用するようになりました。

・新しいCircle Spline SOP が追加されました。

・さらに多くのSOPがコンパイル可能な動詞になりました。

・プリミティブスナップが改善されました。

・ビューアの描画とインタラクションに関する多くのバグが修正されました。

Match Axisがアトリビュートを変換するようになりました。

Edge Collapseで、頂点のアトリビュートがより適切に処理されるようになりました。

Edge Collapseノードが追加されました。

Attribute Combineノードが追加されました。

Attribute Transferノードが改良されました。

・新しい「Volume Normalize Weights」ノードは、Height Field Maskの正規化に役立ちます。

・Alembicサポートが1.7.16に更新されました。
ディスク上のAlembicアーカイブへの予期せぬ変更に対して、より寛容になりました。新しいAlembic HOM拡張メソッドで子オブジェクトのハッシュを取得できるようになりました。Alembicカメラノードのネーミングを改善しました。
不明なノードタイプを持つアーカイブの処理を行います。 
その他、多くのバグが修正されました。


Volumes

  • ボリューム変形のための強力な新しいツールが追加されました。

Lattice From Volume SOP
Volume Rasterize Lattice SOP
 Volume Deform SOP
  • 新しいボリュームプロシージャル編集ノードが追加されました。

Volume Adjust Fog SOP
Volume Noise Fog SOP
Volume Noise SDF SOP
Volume Noise Vector SOP




Heightfield QuickshadeおよびHeighfield Erode SOPのVisualization Layerの数を増やしました。

・ Quickshadeでは、水や氷などの光沢のある地形の表面の見た目を改善するために、レイヤーごとの粗さもサポートしています。

・ Heightfield Layer Property:圧縮オプションが追加されました。

・ Hightfield Paint:Blur Sharpen Radius の追加、ホットキーを使用して6つのツールを同時に使うことができます。





FEM Constraints

FEM Slide Constraint DOPノードConnection Modelパラメータオプションを使って、多角形や四面体の片面または両面のスライド制約を作成することができます。片側スライド拘束は、FEMオブジェクトが他のオブジェクトと反発したり(引きつけずに)、引きつけたり(反発せずに)したい場合に非常に有効です。また、片側スライド拘束は、FEMオブジェクトのコリジョン処理の代替手段としても有効です。

FEM Slide Constraint DOP FEM Attach Constraint DOPFilterパラメータを使って、ソースポイントからターゲットポイントへのリンクの生成を制限することができるようになりました。

FEM Slide Constraint DOPFEM Attach Constraint DOPノードは、ハードコンストレイントされたポイントをソースとして受け付けるようになりました。これにより、アニメーションオブジェクトをハードコンストレイントされたFEMオブジェクトとして使用したい場合に、FEMでのコンストレイント設定をより適切に行うことができます。

FEM Slide constraint のための新しいSlide Points against Target ObjectシェルフツールがFEMシェルフ上に追加されました。

FEM Attach Constraint のための新しいAttach Points to Target ObjectシェルフツールがFEMシェルフ上に追加されました。


FEM Solver

FEM Solver DOP ノードで、ポイントごとのレストポジションに加えて、頂点ごとのレストポジションのアニメーションをサポートするようになりました。また、Allow Changing Restをオンにした場合、restPアトリビュートが頂点と点の両方のアトリビュートとして、認識されるようになりました。

FEM Solver DOPノードでは、安定したNeo-Hookean Variantマテリアルモデルで、アニメーション化されたレストシェイプを使用できるようになりました。この機能を使用するには、 Allow Changing Rest をオンにする必要があります。


Tetrahedral

Convert Tets SOPノードの新しいKeep Primitivesパラメータでは、入力されたプリミティブを保持することができます。これにより、既存の四面体メッシュにポリゴナルスキンを簡単かつ効率的に取り付けることができます。





・ Vellumは、完全に統合されたマルチソルバーになりました。

・Fuild(流体):Vellumは、基本的な粘性と表面張力を解決するシンプルな流体効果をサポートするようになりました。

VellumのGrain(グレイン)およびFuild(流体)は、Vellum Configure Grains SOP を使用して設定されます。Grain / Fuildの解析用に設定されたポイントにこれらのアトリビュートを設定するパラメータが追加されました。

・ Vellum Fuild(流体)は、Vellum クロス、グレイン、ソフトボディと相互作用することができます。Vellum ヘアとのインタラクションは、現在サポートされていません。

・ Vellum のグレインシミュレーションに GPU アクセラレーションによるNeighborhood Search(近傍探索)が採用され、大幅に高速化されました。

・ 新しい Packing Densityアトリビュートにより、入力されたジオメトリをオーバーパックして完全に埋めることができるようになりました。(Vellum Grain のシミュレーションでは、1より大きな値に設定する必要があります。)

Vellum Post Process SOP に新しい Shape Match Rigidity オプションが追加されました。このオプションを使用すると、指定された量の剛体モーションをブレンドすることにより、 Shape Match constraintで拘束されたジオメトリのすべてのピースが剛体のままであることを確認できます。これにより、へこんでも元に戻らない剛体(プラスチックなど)を作成することができます。

・ 新しいPhaseアトリビュートを使用することで、単一のソースから多相流体(multi-phase fluids)を作成できるようになりました。

・ 筋肉、組織、皮膚のシミュレーションのためのソフトボディが最適化されました。

Vellum Constraints SOPに新しい「Shape Match」のタイプが追加されました。 このタイプは、布などの既存のコンストレインの上に剛性を追加したり、または単独で、他のVellumジオメトリと相互作用することができる、殆ど剛性のオブジェクトを作成することができます。これは、衣服のボタンなどに便利です。

・ コンストレインの視覚化と管理のための新しいConstraint Browserが追加されました。このインターフェイスには、 New Pane Type > Inspectors > Constraint Browserを選択してアクセスできます。

Vellum Configure Grain SOPは、スプライトオプションにdisabled-blendingとgl_textureを使用するようになり、粒数が多い場合の表示が格段に速くなりました。

Vellum Solver SOPに、複数の出力を持つダイブターゲットが追加されました。
ノード内に入った際に、編集可能なDOP階層にて、Houdini18.5では、FORCE OutputにPOPフォースを接続し、力を加えることのみができました。Houdini19からは、Source Outputに新しいVellumジオメトリを追加して、Sourceオブジェクトとして使用することができるようになりました。

※左側のVellum Solver SOPに入ると、右側のネットワークが表示され、その中にある「SOURCE」のノードに対して、POP Source等を設定することで、ポイントの発生源を作成すことができ、Grainによって砂や流体を発生させることが可能です。

Vellum Rest Blend SOP  および DOP が Shape Match コンストレインをサポートするようになりました。

Vellum Brushは、これまでメッシュタイプのコンストレインに限られていたグレインや流体に対するリアルタイムな操作が可能になりました。 また、新しくUIが再設計されました。





・ Vellumのコンストレインと同様に、RBDでもタグを使用することができるようになりました。
RBD Material Fracture SOPのこの新しいチェックボックスは、プリミティブグループを使用する代わりに、コンストレイントプリミティブにconstraint_tag文字列アトリビュートを作成します。
タグは、RBD Constraint Properties SOPのConstraint Groupパラメータと共に使用して、特定のコンストレインを簡単に変更することもできます。

・ 新しいRBD Constraint Properties 2.0 SOPでは、コンストレインのプロパティを設定するだけでなく、新しいActionパラメータを使用して編集できます。新しい編集モードでは、既存のコンストレインの個々のアトリビュートを簡単に上書きできます。

・ 変形するジオメトリをアニメーション化された静的なパックオブジェクトに変換する新しいRBD Deforming to Animated SOPが追加されました。このノードは入力ジオメトリとプロキシジオメトリをアンパックし、与えられた参照フレームでフリーズさせ、再パックし、変形するピースからトランスフォームを抽出してそのパックされたトランスフォームを動かします。

・ convex hullsの再計算時に安定した結果が得られるようになりました。
衝突図形のインポート方法が改善され、シミュレーションが後のフレームでリセットされた場合に衝突図形を再構築しても同じ結果が得られるようになりました。また、convex hullのガイドジオメトリのジッターが修正されました。

RBD Bullet Solver SOP に、いくつかの新しいエージング パラメータが追加されました。
Age RBDs は、オブジェクトがシミュレーションに追加されてからの時間を追跡し、カスタムフォースを動かしたり、時間が経過した後にオブジェクトを削除したりするのに便利です。
Add Active Age Attributeは、オブジェクトがアクティブになってからの時間を追跡し、
Just Activated Groupは、現在のフレームでアクティブになったオブジェクトのみを含むポイントグループを作成します。これは、オブジェクトがアクティブになった後に、初期の力を適用するのに便利です。

Bullet Solver DOPに新しいEnable Agingパラメータが追加され、オブジェクトのageアトリビュートを更新し、lifeアトリビュートが存在する場合は、それを超えたオブジェクトを削除することができるようになりました (POP solverと同様)。age primitive アトリビュートを持つコンストレインもソルバーで更新できます。

・ 新しく入力の 1 つを DOP データにバインドする際、Geometry VOP, POP VOP, Gas Field VOP の DOP で Use This Object’s Data パラメータを使用するようになりました。
これにより、ソルバーが複数の DOP オブジェクトに適用されている場合に、現在、シミュレーションが行われているオブジェクトの他のサブデータに簡単にバインドできます。
DOP パス式で $OBJID を使用するには、”Solver per Object”のチェックボックスを有効にする必要がありますが、これは相互に影響を与える場合に問題となります。

RBD Guide DOP  に新しいガイド ビジュアライザが追加され、ガイド付きのピースとガイドなしのピースを識別しやすくなりました。

・ Alembicなどのアンパックが重要なPrimのために、Unpack SOPUnpack Point SOPでのアンパックをマルチスレッド化しました。これは、コンパイルされたFor Eachループ内でのアンパックのパフォーマンスと一致するようになりました。

Enable Solver DOPの新しいEnable Objectsパラメータにより、特定のDOPオブジェクトに対してマイクロソルバーを簡単に有効にできます。このパラメータには、オブジェクト名、オブジェクトID、グループ名など、さまざまなパターンを指定できます。

DOP Importを使用して、RBD Packed Object から SOP にガイドジオメトリをインポートする際のパフォーマンスが大幅に改善されました。
これは DOP からのコリジョンジオメトリ表現を表示できるRBD Bullet Solver RBD Exploded View などのノードに影響します。

Enumerate SOP の新しい Enumerate Pieces モードが追加されました。
各要素に連番を割り当てて別々のピースを作成するか、同じ番号を割り当てて別々のピースを作成するかを選択できるようになりました。
後者は、ピースが文字列アトリビュート(nameやpathなど)で定義されていて、代わりに独自の(自分で設定した)整数でピースを定義したい場合に便利です。

RBD Packed ObjectsBullet solverで pscale アトリビュートと scale point アトリビュートが認識されるようになり、スケールが変更されると自動的にコリジョンシェイプが更新されるようになりました。

RBD Packed ObjectsBullet solverで pscale アトリビュートと scale point アトリビュートが認識されるようになり、スケールが変更されると自動的にコリジョンシェイプが更新されるようになりました。

▶ ソルバーは、位置変換アトリビュート(orient、 pscale、scaleなど)を手動で調整する際に、パックされたプリミティブの変換を更新する必要がなくなりました。
ソルバーはパックされたプリミティブの初期トランスフォームをrestxformアトリビュートに記録し、これを使用して各タイムステップの終わりにプリミティブのフルトランスフォームを更新します。


▶ アニメーション化された静的オブジェクト(animated pointアトリビュートが1の場合)では、ソルバーはSOPパックされたプリミティブのトランスフォームのスケーリングを反映してscaleアトリビュートを更新するようになりました。

・ コンストレインを視覚化および管理するための新しい「Constraint Browser」が追加されました。このインターフェイスには、New Pane Type > Inspectors > Constraint Browserを選択してアクセスできます。

・ 改良されたDebris Source SOPがパックされたオブジェクトをサポートするようになりました。
また、シードポイントがスポーンする場所をコントロールするためのパラメータも用意されています。また、RBDとPyroの橋渡しとして、作成されるポイントを使用して、RBDシミュレーションからのダスト(破片や煙)の放出を容易にします。

RBD Interior Detail SOPにDepth Methodパラメータが追加され、デプスサンプリングのためのSDFを構築するのではなく、外面までの最小距離を使用して各インテリアポイントから外面プリミティブまでの最小距離を計算します。
この方法では、適切なボリューム解像度を設定する必要はありません。RBD Material Fracture SOPもこの方法を内部で使用しています。

重心の抽出の改良

・ 各プリミティブの重心を計算するExtract Centroid SOPの新しいモードを追加しました。これはEnumerate SOPを使用して細かなピースアトリビュートを作成し、ピースを実行するよりもはるかに高速です。Voronoi Fractureもこの新しいモードを使用します。

・ 平均点の位置を返すのではなく、1つのポリゴンに対して重心が適切に計算されるようになりました。

・ 球体のような非ポリゴンのプリミティブタイプをサポートしました。

・ 開いているメッシュ上で実行したときに正確な結果を計算するようになりました。


Connect Adjacent Pieces SOPに新しい“Cone Angle”パラメータが追加され、指定された角度内の点のみを使用して近くの点を検索するようになりました。
これは、クエリポイントの「後ろ」にあるポイントへの接続を作成しないようにしたい場合に便利です。

RBD Cluster SOPにGroupパラメータを追加し、クラスター化する点を制御できるようになりました。

RBD Guide DOPに新しいGuide Optionsが追加され、ガイドジオメトリの視覚化を制御できるようになりました。

Assemble SOPPack SOPのPath Attributeパラメータが見えるようになりました。

RBD Bullet Solver SOPに、複数の出力を持つダイブターゲットが追加されました。
ノードをダブルクリックすることでアクセスでき、ソルバーの実行前(PRESOLVE)または実行後(POSTSOLVE)に力を接続できます。

※ネットワークビュー左側のRBD Bullet Solver SOPの中に入ると右側の2つのノードが表示されており、こちらでモデルに対して、与える力を設定できます。

・ パックされたフラグメントを解凍する際に発生していた遅いコードパスを改善しました。これにより、シナリオに応じて、速度が数倍になりました。

Voronoi Splitで、“Transfer Attributes to Interior Surfaces”が有効な場合に、頂点アトリビュートの転送をサポートするようになりました。これにより、Voronoi Fracture、RBD Material Fractureなどで頂点アトリビュートが正しく転送されるようになりました。




Pyro

Pyro Solver SOPのCenterパラメータをアニメーションさせることで、Minimal OpenCL Solveを使って、燃える物体を追跡する機能が追加されました。

・ 気体の動きを考慮して、流体が全方向に一様に移動するのではなく、より速い速度で移動する箇所に対して拡大するアクティブタイルを使ったリサイズが行えるようになりました。新しいパラメータは、Pyro Solver (Sparse) DOPSmoke Solver (Sparse) DOP、およびPyro Solver SOPで使用できます。

Extrapolate Velocity into New Tiles:新規に作成されたアクティブな領域が、近くのアクティブな領域から速度を継承し、ブレンドすることができるようになりました。これにより、煙の表面に現れる可能性のあるタイルのアーティファクトを減らすことができます。これらの新しいパラメータは、Pyro Solver (Sparse) DOPSmoke Solver (Sparse) DOP、およびPyro Solver SOPで使用できます。

Pyro Solver (Sparse) DOPSmoke Solver (Sparse) DOPPyro Solver SOPに風のAdvectionを制御するパラメータを追加しました。

Pyro Burst Source SOPにBurst Typeパラメータが追加され、Explosion、Muzzle Flash、Shockwave、Blast Ringsから選択できるようになりました。

・ 新しいGas Velocity Scale DOPは、流体の現在の速度またはコントロールフィールドに基づいて、流体の速度をスケーリングします。また、シミュレーションの動きを遅くしたり、速くするコントロールも用意されています。

・ ビューポートでは、ボリュームのレンダリングに法線と速度ベクトルデータが焼き付けられたスプライトシートを生成できるようになりました。
これは、流体シミュレーションがスプライトシートとしてエクスポートされるようなゲームパイプラインをサポートするためです。
また、Mantraからレンダリングを行い、ポストプロセスでパスを生成するという従来のワークフローも解消されます。

・ 新しいGas Axis Force DOPは、煙を強制的にlineの周りを周回させたり、lineに沿って移動させたり、lineに向かって吸い込ませたりすることができます。パーティクルシミュレーションのPOP Axis Forceに似ています。

Pyro Source SOPにBurnがソースオプションとして追加されました。このSOPには、Burnをソースするための初期化スクリプトもあり、Initialization menuには、コールバックが常に起動されるようにするためのデフォルトオプションがあります。

Pyro Solver SOPインターフェースを全面的に再設計しました。

・ 新しいAttribute Adjust Color SOPは、RGBカラーデータを表すVectorタイプのアトリビュート値を変化させるインターフェースを提供し、VOPネットワークの作成やVEXコードの記述の必要性を減らします。Pyroシミュレーションでは、Pyro Solverを煙の色を設定するために使用することができます。

・ 新しいParticle Trail SOP:入力されたパーティクルからトレイルを生成し、火花、花火、雨などのレンダリングに使用できます。

Debris Source SOPがパックされたオブジェクトをサポートするようになりました。また、Seed Point パラメータで放出する場所をより細かくコントロールすることもできます。また、RBDとPyroの間のギャップを埋め、RBDシミュレーションからのダストの放出を容易にします。

Gas OpenCL DOPは、DOPオプションデータをカーネル引数としてバインドできるようになりました。

Gas Analysis DOPGas Cross DOPの新しいステンシルフィールドパラメータでは、ノードの計算を実行する場所のステンシルとして、Scalarフィールドを使用できます。

Pyro Solver (Sparse) DOPおよびPyro Solver SOPに、新しい「Only Dissipate Alpha」チェックボックスが追加され、ソーシングによるolder smokeの着色が容易になりました。

・ RampがCustom Rampに設定されている場合、Volume SliceおよびVolume Trail SOPは、色のルックアップにカスタムランプを使用できるようになりました。

Pyro Solver SOPに、複数の出力を持つDive Targetが追加されました。advection_outputを使って、他のフィールドやジオメトリの手動での移流を実行したり、sources_outputを使ってCustom Sorcing操作を適用したり、fors_outputを使ってPyro Simに力を加えたり、その他のダイナミックな効果を適用したりすることができます。

・ 低解像度のVelocityを使用して高解像度のシミュレーションをガイドする機能が追加されました。また、Pull sourcingで任意の速度フィールドを使用してシミュレーションをガイドすることもできます。

Pyro Post ProcessノードからLookタブが削除され、Pyro Bake VolumeノードがPyro Simulationの外観を制御する唯一のSOPとなりました。

・ Houdiniビューポートに追加された機能は、フィールド値のCubic/BSpline補間をサポートし、amibient shadowをサポートすることで、ビューポート内のボリュームをより美しく見せることができます。


Shelf Updates

・ Simple FXシェルフに新しいSimple Shockwaveツール、Pyro FXシェルフに新しいShockwaveツールを追加しました。これらのツールは、SOPとDOPそれぞれに、地面からの衝撃波を伴う大きな上昇・拡大する爆発を作り出します。

・ Simple FXのシェルフに、新しいツール「Simple Muzzle Flash」が登場しました。このツールは、銃口からの爆発を目に見える形で表現します。

・ Simple FXシェルフに新しいSimple GPU Torchツールが追加されました。このツールは、GPUで完全にシミュレートできる非常にシンプルなTorch Fireのセットアップを作成します。

・ Simple FX シェルフのSimple BonfireツールとPyro FX シェルフのBonfireツールに火花が追加されました。

・Sparse Pyro FXタブの名称を「Pyro FX」に変更しました。

「Fluid Containers」、「Populate Containers」、「Containers 」Toolsの各タブは、デフォルトではロードされなくなりました。Shelfをクリックして、関連するチェックボックスをオンにすれば、簡単にこれらのタブを戻すことができます。

・ オリジナルのPyro FXタブは、Legacy Pyro FXに改名され、デフォルトではロードされなくなりました。しかし、Shelves をクリックし、Legacy Pyro FX のチェックボックスをオンにすることで、簡単に追加することができます。

・Simple FXシェルフの「Simple Fireball」とPyro FXシェルフの「Sparse Fireball」の外観を改善しました。

・ Simple FXシェルフの「Simple GPU Ground Explosion」の外観を改善しました。

・ Simple FXシェルフの「Simple Billowy Smoke」とPyro FXシェルフの「Sparse Billowy Smoke」の外観を改善しました。

・ Simple FXシェルフの「Simple Ground Explosion」とPyro FX シェルフの「Ground Explosion」の外観を改善しました。

・ Simple FXシェルフの「Simple Aerial Explosion」とPyro FXシェルフの「Aerial Explosion」の外観を改善しました。


FLIP

Whitewater Source SOPに新しいパーティクルスケールパラメータを追加し、余分なソースポイントのラスタライズをコントロールできるようになりました。

Whatewater Source SOPの新しいVisualize Emission Volumeパラメータでは、生成されたEmission Volumeの可視性を設定します。

Houdini19で新しく追加された機能や改良された機能の紹介は、以上です。

Houdini19のダウンロード(非商用版)およびドキュメントは、以下のリンクをご参照ください。

▼SideFX社ホームページ: HOUDINI APPRENTICE (非商用版)
https://www.sidefx.com/buy/

▼SideFX社ホームページ:Houdini19 ドキュメント(英語)
https://www.sidefx.com/docs/houdini/