【Houdini16.5基礎編】8.モデリングツール


 今回の記事はHoudiniにおけるモデリング機能についての紹介になります。

 Houdiniには、目的のルックを制作するためにシェイプやジオメトリを変形させる多くのツールがあります。ここでは、Houdiniでジオメトリ、またはSOPでモデルを構築するときに一般的に使われるツールの一部を紹介します。

作成

 ジオメトリの作成を開始するには、いくつかの基本的なシェイプから始めたり、カーブを描画したりすることができます。 いずれの場合も、ツール名の入ったジオメトリ/ SOPノードを持つオブジェクトが作成されます。 これらは、シェルフの作成またはラジアルメニューでアクセスできます。

プリミティブ – Houdiniには、Box、Sphere、Tube、Torusのプリミティブシェイプと、さまざまなPlatonic solidが含まれています。

グリッド – グリッドツールは、幅広いモデル作成に利用可能です。 ジオメトリレベルで形状とサイズを設定できます。

カーブ – 制御点を配置して曲線を描画し、ポリゴン、NURBSまたはベジェ曲線を作成します。

 

ポリゴンモデリング

 ポリゴンは、最も一般的なジオメトリタイプの1つです。Houdiniには、モデルを作成するための包括的なポリモデリングツールが用意されています。

PolyExtrude – 1つまたは複数のポリゴンを押し出し、押込みをすることで、ジオメトリの形状を変更します。 Extrudeプロファイルを制御して、さまざまな形状を作ることができます。

PolyBevel – Bevelは、選択されたエッジを使用して、面取りまたは丸みを付けたベベルを作成します。 PolyExtrudeやBooleanなどの以前のノードの出力グループを使用して、自動的にエッジを見つけることができます。

PolyBridge – 2組のポリゴンをブリッジ状に接続します。

PolySplit/Edge Loop/Knife – ポリゴンを分割してモデルにディティールを追加します。

PolyExpand 2D – 2D平面上にある曲線とエッジを取得し、オフセット値に基づいてジオメトリを作成します。

PolyReduce – 四角形ポリゴンとUVを保存しながらポリゴンの数を減らすことによって、異なるレベルのディティールを作成します。

 

ユーティリティノード

 Houdiniはプロシージャルの性質上、コピー、クリップ、ミラーリングなどの操作を行うと、ネットワーク内にはノードが作成されます。これらのノードをユーティリティノードと呼びます。 ユーティリティノードは後から編集ができるので、コピー、クリップ、ミラーリングなどの操作内容の変更や別所への流用が容易になります。

Clip – クリッピング平面に基づいてモデルをカットします。 クリップの方向を設定したり、クリップしたどちらの側を保持するか、または両側を保持するかを設定できます。

Mirror – クリッピング平面に基づいてジオメトリをミラーリングします。 ジオメトリを接続するためにミラーリングした後にポイントを融合するオプションがあります。

Copy and Transform– トランスフォームの値に基づいて複数のコピーを作成します。

Blast – モデルからポリゴンを削除できます。オブジェクト内で選択されたポリゴンを削除、またはオブジェクト内で選択されているもの以外のすべてのポリゴンの削除を行うことができます。 ポリゴンが選択されているときに[Delete]キーを押すと、削除されます。

Dissolve – 周囲のジオメトリを分割することなくエッジを削除できます。 エッジが選択されているときに[Delete]キーを押すと、選択されたエッジが削除されます。

 

サブディビジョンサーフェスモデリング

 Houdiniでは、ポリゴンで用いてモデル作成を行い、オブジェクトのパラメータペインのレンダリングタブにあるオプションを使用して、ポリゴンをサブディビジョンサーフェスとして表示およびレンダリングをすることができます。 また、ジオメトリレベルでSubdivideノードを作成してポリゴンを追加して、より詳細なトポロジを操作することもできます。

 

サーフェスツール

 Houdiniにはプロファイルカーブとサーフェスを作成するツールがあります。 これらのインプットカーブは、ポリゴンまたはNURBS、またはその2つの混合物のいずれかになります。

Revolve– 軸を起点にしてプロファイルカーブを回転してジオメトリを生成します。 生成結果を微調整するためのハンドルがあります。

Skin – 一連のプロファイルカーブを取得し、サーフェスに変換します。

Rails – 2つ以上のレールカーブに沿って1つ以上のプロファイルカーブをコピーし、結果をスキンしてサーフェスを取得します。

ブーリアン

 Booleanツールを使用して、ジオメトリ同士を加算減算または乗算します。このノードは非常に複雑なトポロジーを扱うことができ、リジットボディを利用した破壊用にサーフェスを分割することにも使用されます。 ボロノイベースのShatterノードと比較して、よりリアリティある結果が得られることもあります。 Booleanツールは、PolyBevelノードなどの他のノードに参照させるための出力グループを作成することができます。 この方法では、ブール値への更新は、2番目のノードにフィードされるときに正しく更新されます。

 

デフォームツール

 ポイントを直接編集することによってもジオメトリを形成することはできますが、より一般化されたアプローチが必要な時があります。

 以下のノードには、プロシージャルにジオメトリを整形するためのオプションが用意されています。

Bend – このノードでは、動かす範囲と方向を設定し、ジオメトリを湾曲させる、捻りを加える、または先端を尖らせる、押しつぶすなどの調整をすることが出来ます。

Lattice – ジオメトリの周りにラティス(格子)が作成され、ケージの点を編集してそれに追随する形でジオメトリの形状を変更することができます。 またカスタムケージを使用することもできます。

Mountain – ノイズ関数を適用してサーフェスを変形させ、ランダムな結果を作成します。

Ripple – ジオメトリにリップルシェイプ(時間の経過でアニメーションする波紋のようなノイズ)を作成します。

Waves – ノイズ関数を追加して、時間の経過と共にアニメーションする波のようなパターンを作成します。 現実的な海を作成するのに最適です。

 

COPY TO POINTSとSCATTER

 HoudiniのScatterによるコピーのワークフローは、サーフェス上にポイントを散布してから、各ポイントにオブジェクトをコピーするという流れになります。 オブジェクトをスケーリングしたり回転させるためのアトリビュートを適用すると、より自然な結果が得られます。

 この機能は、樹木や岩石で風景を埋める時などに使用されます。

 

TOPOBUILD

 HoudiniにはTopoBuildノードがあり、PixologicのZ-Brushなどのアプリケーションで作成、あるいはスキャンした高解像度ジオメトリにポリゴンを直接描画できます。 アニメーションに使うことができるよりクリーンなトポロジを作成し、元のモデルからノーマルマップにディテールをベイクすることができます。

TERRAINツール

 Houdiniでは高さのフィールドを使用してノイズ、地形、さらには侵食などに対応した幅広い地形構築ツールを利用することができます。ツールの結果を利用して、さまざまな種類の動的シミュレーションのレンダリングやコリジョンサーフェスとしての動作が可能です。

 

ジオメトリのタイプ

 Houdiniは、プリミティブ、ポリゴン、NURBS、ベジエなど、さまざまなジオメトリタイプをサポートしています。 これらのタイプは相互に変換することができ、1つのオブジェクトに2つ以上のジオメトリタイプをマージすることもできます。

 ポリゴンモデルは、PIXARのOpenSubdiv標準を使用してサブディビジョンサーフェスとして表示、およびレンダリングするように設定できます。 SubdivisionsとNURBSについては、テッセレーションの設定に頼ることなく、最適な形でMantraでレンダリングされます。