Houdini 18 SOP No.13 “Group by Lasso SOP”


~“Group by Lasso SOP” Group編-1~

前回に引き続きHoudini18.0にて新規に追加されたSOPノードの解説を行います。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。

※本記事ではHoudini 18.0.416を使用しています。

今回はGroup by Lasso SOPについて解説していきます。

 

Group by Lasso SOP

このノードは、Houdini 18.0にアップデートされた際に新しく追加されたノードになります。
このノードの機能は、投げ輪でPointまたはPrimitiveを選択しグループ化するものとなります。

では具体的な使い方を説明します。

このノードの使い方は簡単です。

グループを作りたいモデルに対してGroup by Lasso SOPをつなぎシーンビュー上で投げ輪で範囲を選択するだけです。

例として下の画像のようなジオメトリを用意します。

このジオメトリに対してGroup by Lasso SOPを接続します。

その後にシーンビュー上でエンターキーを押し操作を有効にすることによって投げ輪による選択ができるようになります。

このようにシーンビュー上で選択することができます。

さらにこの投げ輪は複数作成することが可能です。そのため、1つのノードで複数の投げ輪を作成し。グループを作ることができます。

以上がこノードの基本的な使い方になります。

 

ではパラメータを含めさらに詳しく説明していきます。

パラメータは下のようになっています。

上の画像の赤く囲われている「Group」は、他のノードのGroupのパラメータとは少し異なり、ここで選択されている部分を操作するわけではありません。
ここで設定されているグループに対して追加でグループを更新することができます。
また、ここで他のグループを選択していない場合には、ここに入っている名前のグループが新しく作成されます。

 

「Group」に対して別のグループを指定した場合の例を説明していきます。

まず、下の画像のようなGroupを作成し、“test_group”という名前を付けます。

そして、ここで作成したグループをGroup by Lassoの「Group」のパラメータにて指定します。

そうすると、下の画像のようにグループが継承されて、そのグループに対して追加で操作を行うことができます。

実際に下の画像のように投げ輪によってグループを変更することで、その下のGeometry Spreadsheetのような結果を得ることができます。

このように投げ輪によって選択した箇所を新しくグループとして認識させることができます。

また、下のGeometry Spreadsheetは「Group」に対して新しく“test”という名前を付けた場合です。

このように新しくtestという名前のGroupが作成されます。

 

次に「Group Type」についてです。

「Group Type」はPointまたはPrimitiveを選択すること事ができ、選択されている対象をグループ化します。

下の画像が同じ範囲を指定したGroup TypeがPoint・Primitiveになっている時の比較になります。

また、「Group Type」をPrimitveに変更した際には新しく下のようなパラメータが選択可能となります。

このトグルを有効にすることによってプリミティブの選択範囲を変更することができます。
オフの場合は、な投げ縄によって選択されたプリミティブのポイントが1つでも入っている物をすべてグループ化することができます。
オンの場合は、すべてのポイントが入っているプリミティブのみをグループ化します。

次に「Combine Operation」についてです。
「Combine Operation」は一番上の「Group」に対してどのように新しくグループを作成するかを選択することができます。
Replace
 「Group」で選択されたグループを投げ輪によって選択された範囲に置換します。
 (「Group」を指定していない場合は新しくグループが作成されます)
Union
 「Group」で選択されたグループと投げ輪で選択されたグループの両方を合わせたグループを作成します。 
Intersect
 「Group」で選択されたグループと投げ輪で選択されたグループの共通部分をグループ化します。
Exclusive Or
 「Group」で選択されたグループと投げ輪で選択されたグループの片方にしか含まれていない部分をグループ化します。
Subtract
 「Group」で選択されたグループと投げ輪で選択されたグループの共通していない部分をグループ化します。
となります。

例として今回は下の左右の画像で指定されているグループに対して各設定でどのような結果を得ることができるかを確認していきいます。

そして下が各設定の際に作製されたグループの結果となります。

以上がGroup by Lasso SOPの説明になります。

 

投げ縄によってグループを選択できるため、従来よりもグループの作成の柔軟性が向上しました。さらに、このノード内のみでグループの上書きもできるため、非常に使い勝手の良いノードとなっています。このノードを用いることでグループ指定をより直感的にかつ素早く行うことができるようになります。

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