～“Height Field Terrace:2.0 SOP”～

前回に引き続きHoudini18.0のSOPノードの解説を行います。
今回のノードは新しく追加されたものではなく、機能が追加されたノードになります。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。

※本記事ではHoudini 18.0.416を使用しています。

今回はHeight Field Terrace:2.0 SOPについて解説していきます。

　

Height Field Terrace:2.0 SOP

このノードは、Houdini 18.0にアップデートされた際に機能が追加されたノードになります。
このノードの機能は、入力された地形データから段丘を作るものです。

このノードはHoudini 18.0にアップデートされた際に機能が非常に強力になりました。Height Field Terrace:1.0では、段丘の間隔は一定で、各段丘のサイズは調整することができませんでした。しかし、Height Field Terrace:2.0では各段丘のサイズを任意にコントロールすることができるようになった他、オリジナルの地形から段丘に遷移させる際のコントロールも追加されました。

操作方法は基本的に従来のノードと同じで、段丘にする範囲を指定し、パラメータによって段丘の高さを設定していくものとなります。

　

では基本的な使い方の説明をしていきます。

まず初めに操作する対象のジオメトリをHeight Fieldにて作成します。

このようにジオメトリが作成されたのちに「Height Field Terrace:2.0 SOP」を接続します。

そうすることにより下の画像のような段丘を作成することができます。
このようにノードを接続するだけで段丘を作成することができます。
また、この段丘はパラメータによって任意の高さ等に調整することもできます。

　

では、具体的な使い方を説明します。

まずはHoudini17.5とHoudini18.0のパラメータを比較します。
黄色く囲われた部分が変更されたパラメータ、赤色に囲われた部分が新しく追加されたパラメータになります。

まず初めに黄色く囲われたパラメータについて説明します。
このパラメータは基本的な操作の変更はありません。
しかし、名前が変更されているパラメータ、新しく追加されたパラメータがあります。

名前が変更されたパラメータ
　「Terrace Offset」→「Step Offset」
　「Terrace Step Size」→「Max Step Size」

新しく追加されたパラメータ
　「Fade」
　　オリジナルの地形データ全体を段丘に遷移させる量を設定することができます。
　　0で段丘のみを表示、1でオリジナルの地形のみを表示させることができます。

以上が変更されたパラメータの説明になります。

次に赤く囲われた新しく追加されたパラメータについて説明します。

追加されたパラメータは大きく分けて2種類あります。

一つ目が「Terracing」、2つ目が「Undulations」になります。
まず1つ目の「Terracing」は段丘を作成する際の一層ごとの高さ等を設定することができます。
2つ目の「Undulations」は地形の起伏をノイズによって追加することができます。

　

ではこの2つをさらに詳しく見ていきます。
「Terracing」
　「Fade Ramp」
　　高さに応じてオリジナルの地形から段丘の遷移量を調整することができます。

この画像のようにランプのパラメータを変更することで、段丘の一部の遷移量を調整することができます。

　「Step Ramp」　　高さに応じて段丘の一層ごとの高さを調整することができます。

このようにランプのパラメータを変更することにより、通常の「Step」のパラメータとは異なり、一部の段丘の高さを調整することができます。

※この段丘の一層ごとのベースの高さは「Max Step Size」のパラメータに依存します。

「Undulations」

「Type」
　追加するノイズの追加方法を設定することができます。
　タイプは3種類あり、「None」、「Standard」、「Custom」の3種類があります。
　「None」の場合はノイズが追加されず、「Standard」はパラメータを利用したノイズの追加、「Custom」では起伏をランプのパラメータで制御することができます。

※上記のように「None」以外でないと起伏を追加することはできません。

「Amplitude」
　追加するノイズの量を設定することができます。
「Element Size」
　追加するノイズのグリッド範囲を設定することができます。
「Offset」
　ノイズのオフセットを設定することができます。
「Noise Type」
　追加するノイズの種類を設定することができます。
「Fractal」
　ノイズ上に小さなノイズを反復で作成するかを設定することができます。
「Fold」
　有効にすることで、ノイズ出力を絶対値で返すようになります。

以上が「Undulations」の簡単な説明となります。

　

では実際にどのようなノイズを加えることができるかをいくつか紹介していきます。

ノイズの種類は「Noise Type」で、ノイズの量は基本的に「Amplitude」で変更することができます。
今回は「Amplitude」を200で固定し、「Noise Type」を変更した例を紹介します。

このようにNoise Typeを変更してノイズを加え地形を変更することによって段丘の位置等も変更することができます。

また、「Type」を“Standard”から“Custom”に変更することにより、ランプパラメータによって起伏を調整することも可能です。

変更することによって新しく「Undulation Ramp」というパラメータが新しく作成されます。

このパラメータを変更することにより起伏の形状を調整することができます。

このように起伏を調整することができます。

　

以上がHeight Field Terrace:2.0 SOPの説明となります。
このようにHeight Fieldを用いた地形作成が容易になり、今まで以上に自由度が高く、さらに、背景の作成が簡単になりました。このノードを用いることにより、映画・ゲームといったコンテンツで背景を作成することが、従来よりも容易になりました。

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