2017 年 6 月 22 日(木)、株式会社プリズムプラス様の Prism Lab (プリズムラボ)にて、 Houdini 16 Professional Workshop – #4 『 Houdini プロシージャルワークフローの実際 』 –が開催されました。
今回のセミナーでは、株式会社三和映材社の畑田 博史 様より制作事例をもとにした Houdini プロジェクトを開きながら、実際にノードを組み、それを活用するフローについてご紹介頂きました。
セミナー内でご紹介頂いたプロジェクトの動画はこちらよりご覧いただけます。
まず始めに、実際のフローについて、クライアントからどのような依頼があったかの説明がありました。関西でお仕事をされている畑田氏は、常に納期が厳しいCG制作をされており、特に今回の制作においては、素材も少ない中で「水面が上がっていって、液体ができた後に、ボトルができる」という指定の映像制作が行われたとのことです。
最初の制作過程は、ボトルの資料を参考にした、SOP による手動でのボトルの仮モデリングです。画像から手動で作成したカーブから、Revolve SOPで回転させ、いくつかのノードで形を修正します。このオブジェクトや要素は、その後度々参照されています。
その仮オブジェクトから、水とそのアニメーションを作成していきます。実際に行われた最初のテストと、その問題点について紹介頂いた後、最終的にボトル用のカーブを参照して複製し、Curvesect SOP 水面のオブジェクトと計算させ、水が上昇するアニメーションの方法をご説明頂きました。さらに、表面張力の表現や、水の中に浮かぶ泡を追加しています。
次に、パッケージがリボン状に変形していくアニメーションを作成する方法を紹介頂きました。最初のボトルのオブジェクトから少し編集したものを参照して巻きつけるモデルとして使用し、それに対して1つのカーブを張り付け、アニメーションさせて、その動きを他のノードで調整します。またこの時点で、アトリビュートを作成して、後々合成作業で使用するための Extra Image Planes(レンダーパス)のもとを設定しています。
その 1 つのカーブを Copy Stamp SOP を使用して、カーブ毎にランダムにアニメーションするように複製します。さらにカーブを基に面を追加し、形を調整します。カーブに設定したアトリビュートから、合成に使用するためのグロー用アトリビュートと、マスク用アトリビュートを作成しています。同様に、カーブを参照して、パーティクルエフェクトを追加しています。これで、モデリングとアニメーションは完成です。
マテリアル、ライティングやシーンの設定については、Houdini 16 で変更された点と合わ せて、設定内容を解説して頂きました。
レンダリングの部分では、Bundle List 機能によるグループ化と、カスタムのエクスプレッ ションによるその参照、バッチ処理のスクリプトなど、実際に設定された内容を見ながら、パラメータを更新したデータのレンダリングを、簡単に名前を変更して行えることをご紹介頂きました。また、その他に作成された各パスについても解説されました。
一連のワークフローの紹介の後で、実際にあった修正依頼を基に、プロジェクトの更新をどのように行うか、という点をご説明頂きました。ワークフローの紹介では、使用するノードも多く、設定も複雑に行われていましたが、修正に関しては、その要望に対応するためのいくつかのノードを追加したり、既存のノードを編集するのみで、基本的に短時間で対応が 完了していました。
一度プロシージャルなネットワークを構築することで、後々の修正はそのネットワークの一部を変更するだけで結果をすぐに更新することができるという、Houdini の大きな利点を実感できるセミナー内容となりました。
セミナー終了後の懇親会では、プリズムプラス様のご好意により、美味しい料理や、お飲物をご用意いただき、特に、本格的なピザを自社ピザ窯で焼いて頂き堪能しながら、ご参加頂いた皆様で Houdini の情報交換が行われていました。
本セミナー内容の動画につきましては、Houdini を弊社ならびに弊社パートナーよりご購 入頂いたお客様で、AUP(年間アップグレードプラン)契約期間が有効なお客様向けにご提 供致します。動画の URL およびパスワードにつきましては、ご登録頂きましたメールアドレス宛にご連絡させていただいております。ぜひご覧ください。