Houdini 18 SOP No.6 “Copy toCurves SOP 2.0”


~“Copy to Curves SOP” Copy編-2~

前回に引き続きHoudini18.0にて新規に追加されたSOPノードの解説を行います。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。

※本記事ではHoudini 18.0.391を使用しています。

 

今回はCopy to Curves SOPノードについて解説していきます。

Copy to Curves SOP

このノードは、Houdini 18.0にアップデートされた際に新しく追加されたノードとなります。
その機能としては、第二入力のカーブの接線に基づいて向きを計算しつつ、Upベクトルと追加の回転を指定した様々なオプションを使って、そのカーブ上のポイント上に第一入力のジオメトリをコピーするというものです。 このノードでは、ポリゴンが閉じていたとしてもカーブとして扱うことが可能です。

 

では、実際に使い方について説明します。

このノードの使い方は非常に簡単です。
まず初めに、Copyする対象のモデルを用意します。
今回は、方向が分かり易いように以下の画像のような矢印のモデルを用います。

次に、任意の形状のカーブを用意します(この際のカーブのTypeは問いません)。

以上が揃ったらCopy to Curve SOPを作成して各入力に繋ぐだけです。そうすることによって以下のような結果が得られます。

このようにカーブの頂点となるポイントの接線の方向に対して向きを持たせてコピーを行うことができます。
また、このノードはこの向きを変更することも可能です。

 

ではパラメータの中身を簡単に説明していきます。

パラメータは以下のようになります。

このパラメータの赤く囲われている部分を見ると分かりますが、Copy to Points SOPと共通するパラメータがあります。ここからわかるように基本的な使い方はCopy to Points SOPと同じになります。
違う点は先ほども述べましたが接線を用いて方向の設定をしてからコピーを行う点です。

下の画像の赤く囲われた「Tangent Type」を変更することで接線の方向を変えることができます。

このパラメータはコピーする際のメソッドを変更するものとなっており、プルダウンすることによって任意のメソッドに変更可能となります。

変更した際にの接線は下の画像のようになります。

このように変更することによって接線の取り方を変え、コピーする向きを変更することができます。

また、「Target Up Vector」ではコピーする際の法線方向を設定することが可能です。法線方向を変えることによっても向きを変更することができます。

さらに、上画像の赤く囲まれた「Additional Rotations」、「Scales and Shears」、「Attributes」にてさらに細かく方向やサイズ等を設定することも可能となります。

そのパラメータを展開したものが以下のパラメータなります。

上のパラメータの赤く囲われている部分を見ると分かりますが、AttributesのパラメータはCopy to Points SOPのものと全く同じです。また、Scales and Shearsではサイズの変更を行うことが可能です。

一番上にあるAdditional Rotationsは少し特殊なので簡単に説明します。

このパラメータには3つのトグルがありそのトグルを有効にすることで向きの変更、ひねりの追加等を行うことが可能です。
ここで設定可能な項目は大きく分けて「Roll」、「Yaw」、「Pitch」となります。

この3つは
  Rall:接線方向を軸とした回転
 Yaw:Upベクトルを軸とした回転
  Pitch:法線接線ベクトルとUpベクトルに垂直なOutベクトルを軸とした回転 を加えることができます。

そして、このパラメータの一番上にあるRotate Orderはその変更が適用される順番を設定することができます。

下の画像はRoll, Yaw, Pitchが各90、Typeは「Pitch, Yaw, Roll」に設定しています。

次にこの下の画像はRoll, Yaw, Pitchが各90、Typeは「Roll, Yaw, Pitch」に設定しています。

これを見てもわかりますが、変更を加える順番によって最終結果は大きく異なります。その点に注意して設定を行うことが望ましいでしょう。

このように接線を用いてジオメトリのコピーを行うことが可能なため、形状に沿わせてモデルを作成することが容易となります。

以上がCopy to Curves SOPの説明です。

今回のCopy to Curves SOP、前回のCopy to Points SOPからわかるようにコピー機能が大きく変わり使い易くなりました。Copy to Curves SOPの追加によってジオメトリをコピーする際の方向の設定の手間を省き、簡単に設定できるようなりました。更にCopy to Points SOPの機能も内包しているためより自由度高い複製を行うことができるようになります。

 

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