HScriptの概要


この記事ではHoudiniで利用できるスクリプトのひとつ、HScriptについて簡単な紹介を行います。

HScriptとは最初期のHoudiniから実装されているHoudini専用のスクリプト言語です。
簡単簡素なのが特徴で、言語形式としてはC Shellと呼ばれるシェルベースの言語が母体となっている言語です。

本格的なプログラムを触ったことがない方でも、他のソフトウェアなどで利用されるエクスプレッションなどの利用経験があれば、
誰でも簡単にHoudiniのエクスプレッションを記述することができるように設計されているスクリプト言語です。

実装当初はエクスプレッションに用いられる、HScriptエクスプレッションと、
Houdiniコマンドを実行するためのHScriptコマンドの2種類に大別されていたのですが、
現在は、Houdiniコマンドに関してはレガシー扱いとなっており、代替となるPythonによるスクリプトAPIが推奨されております。

しかし、スクリプトAPIにつきましては、いくつかのコマンドはPythonではサポートされておらず、
また、場合によっては記述が非常に煩雑になる場合があります。
そのような場合はPython内でHScriptを実行するなどして対応することが可能です。

 

次に、実際にHScriptエクスプレッションの、簡単な実例を紹介します。

例えば、球に公転運動を与えるようなアニメーションを作る際は、
HScriptエクスプレッションを使うと、このように記述することで制作することができます。

この記事は概要紹介の記事ですので、細かい説明は省略しますが、各フレームに手動でキーを打ってカーブの調整をしなくとも、
パラメータTranslateのXとZに簡単なエクスプレッションを記載することで、簡単に公転運動のアニメーションが作成できます。

また、例えばこれに対して、更にMotion FXでノイズを加えることも可能です。

このように、すぐに数値化できるような単純なアニメーションや、逆に幾何的に複雑なアニメーションを作成する際には、
エクスプレッションを利用してパラメータの設定を行う手法が非常に便利です。

HScriptは、このようなエクスプレッションを記述するのに利用されるスクリプトとなります。