RBD Material Fracture SOP その2(Glass編)


今回は前回の「RBD Material Fracture SOP その1(Concrete編)」に引き続き2回目として、RBD Material Fractureノードの説明をしていきたいと思います。

今回は「Glass」の機能について紹介します。

 

ノードの解説

前回同様、まず初めにMaterial Typeを「Glass」に設定します。そうすることにより、このノードに接続されたジオメトリをガラスのように分割することができます。


・Fracture per Piece

単一ではなく、分離しているモデルに対して、それぞれに個別の分割を適用することができます。

適用前と適用後は以下の通りです。事前に用意したパーツ毎に分割が行われていることが確認できます。

 適用前

適用後

 

▼Inpact Pointsタブ

このタブの中では、ガラスが割れる中心点の位置や数を設定することができます。

・Scatter Points
ガラスが割れる中心点となる、インパクトポイントを設定することができます。値が増えるごとにその値に応じたインパクトポイントを作成します。

・Scatter Seed
インパクトポイントのランダムシードを設定することができます。

・Input Points
RBD Material Fracture ノードの4番目の入力にインプットしているポイントを、インパクトポイントとして使用することができます。モデル表面にScatterノード等で発生させたポイントを、インパクトポイントとして使用できるようになるため、インパクトポイントをより意図した場所に配置することができます。

 

▼Cracksタブ

・Radial Crack
放射線状に広がる亀裂を調整することが可能です。

・Radial Crack Number
インパクトポイント毎に発生する放射線状の亀裂の本数を設定することができます。値に応じて放射線状に入るヒビが多くなっていきます。以下は、左の値が20、右の値が50の結果の比較画像です。

・Number Variance
破片毎の放射線状の亀裂のばらつきの設定をすることができます。

・Number Seed
放射線状の亀裂の数のランダムシードを設定することができます。

 

・Concentric Crack
インパクトポイントから同心円状に広がる亀裂の設定を行います。

・Minimun Width
亀裂間の最小幅の設定を行います。以下の画像の左が0.1、右が0.01の時の結果です。

・Impact Spread
円状に広がる亀裂の中心から広がる範囲を指定することができます。

・Discontinuity Freq
円状に広がる亀裂のノイズの周波数を設定することができます。

・Discontinuity Size
円状に広がる亀裂のノイズの大きさを設定することができます。

 

▼Chippingタブ

このタブは前回の記事で紹介したコンクリートと同様に設定することが可能です。Enable Chippingにチェックを入れることにより有効になります。

Chippingは破片の角を切り落として切れ端を制作することができます。以下は、Chippingを無効にしている時の結果と、有効にした時の結果の比較です。

・Overall Ratio
破片の中から切れ端を作成する全体比を設定することができます。大きくすることによって切れ端を多くすることができます。以下は、左の値が0.5、右の値が1の時の比較画像です。

 

▼Detailタブ

・Detail Size
エッジノイズを追加するポリゴンのサイズを調整することができます。値を小さくすることによりディテールを上げることができます。

・Edge Noise
この枠内では亀裂のディテールを調整することができます。

・Enable Edge Noise
デフォルトで有効化されています。亀裂にノイズを加えることができます。これを無効にすることにより、亀裂を直線にすることができます。以下の画像は、有効時と無効時の比較です。

有効時

無効時

・Fade From Origin
インパクトポイントからエッジノイズを減衰させる距離を設定することができます。

・Fade From Border
ガラスのジオメトリの辺からエッジノイズを減衰させる距離を設定することができます。

・Noise Amplitude
ノイズの振幅の設定をすることができます。大きくすることによってエッジが大きく歪みます。ただし、大きくしすぎると辺からはみ出て形状が破綻するため、注意が必要です。

・Noise Frequency
ノイズの周波数の設定をすることができます。

 

▼Constraintsタブ

基本的な設定は前回の記事で紹介したConcreteのものと同じ設定です。

・Radial Strength
放射状の亀裂間の接着強度を設定することができます。

・Concentric Strength
同心円状の亀裂の接着強度を設定することができます。

・Chipping Strength
破片の切れ端の接着強度を設定することができます。

 

以上がRBD Material Fractureノードの「ガラス」に関しての説明になります。次回は「木材」についての説明をしていこうと思います。

 

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