Houdini 18.5新機能と改善


Houdini18.5は、2020年10月20日(火)にSideFX社よりリリースされました。

Houdini 18.5では、モーション編集とリターゲティングをより簡単かつ柔軟にするために設計されたプロシージャルキャラクターソリューションであるKineFXVellumクロス、ワイヤ、ソフトボディ用のインタラクティブなブラシツール、PyroFX高速シミュレーションのためのミニマルソルバ、さらにSolarisにスナップショットギャラリーなどの主要な機能強化が搭載されました。

こちらの記事では、Houdini18.5の新機能と変更点にご紹介します。

また、新機能「Kine FX」については、以下で詳細を記載しています。併せてご覧ください。

■ Houdini18.5 KineFX について ■



ここからは、Houdini18.5の主な機能についてご紹介します。

インタラクティブなPyro FX
新しいOpenCL 最小計算モードによるPyro Solver SOPのインタラクティブ/リアルタイムシミュレーションパフォーマンスが得られます。

Vellumブラシ
物理を強化したワイヤーおよびクロスモデリング向けVellumブラシツールと、VDBコリジョンとの迅速かつインタラクティブなパフォーマンスを実現する最小Vellumソルバ

Solarisスナップショットレンダーギャラリー
スナップショットの保存や比較が可能で、LOPネットワークをサムネイル生成時の状態に戻せます。

Karmaの機能強化
レンダリング画像をIPR 同様に、Mplayにプログレッシブに転送する機能、AOV 対応、中断されたレンダリング処理のチェックポイントおよび再開機能、デノイザのサポートが大幅に強化されました(サードパーティ製デノイザのみ)。

モーションリターゲット
モーションをプロシージャルに作成、編集できる包括的なツールセットです。ツールは、多くのリターゲットワークフローをサポートするように設計されています。

モデリング/ジオメトリ
標準メッシュを高密度スキャンまたはスカルプトメッシュにマップを可能にする Topo Transfer SOP、パスに沿ってジオメトリを変形するPath Deform SOP、インスタンスワークフローをサポートする強力なScatter SOPおよびAlign SOPが追加、改良されました。

ビューポート
通常およびLOPビューポートで、均一の霧、ボリュメトリック/不均一の霧、被写界深度をサポートしました。


Houdini18.5で新たに実装されたノードは、SOPノードが84個、DOPノード5個、TOPノード2個、LOPノード13個、ROPノード2個、COPノード2個、VOPノード38個あり、併せて146個のノードが追加されました。(※2020年10月7日 時点)

特に、SOPネットワークでは、新たにSOPレベルでリギングの編集を行い、モーションの作成や編集を行うツールセットとして、「Kine FX」が追加されました。また、新しいPyro系SOPノードによって、爆発の中核となるPyroソースポイントの作成やマテリアルを自動で割り当てレンダリング結果を最適化することができます。


また、新たに追加されたノードは、146個ありますが、Houdini18.5で改良されたノードはSOPノードが23個、DOPノード9個、TOPノード36個、LOPノード26個、ROPノード5個、COPノード1個、併せて100個のノードが追加されました。

その他にも、バックポートとしてHoudini18.0に実装されたノード8個あり、リリースされたHoudini18.5では多くのノードに対して機能改良が行われました。


こちらでは、新たに追加されたノードやHoudini18.5から改良されたノード、非推奨になったノードを各ネットワーク毎にご紹介します。また、一部ですがバックポートとしてHoudini18に追加されたノードも併せて記載しています。

下記の見出しやノード画像をクリックすることで、各ネットワークの一覧表を参照することができます。ぜひご覧ください。

ここからは、Houdini18.5で新たに追加された機能および改善された機能について、各項目ごとに詳細をご紹介します。

Houdini 18.5では、リターゲティングおよびモーション編集、そして、将来的にリギングやアニメーションにもプロシージャルな基礎を提供するために設計されたキャラクタツールセット、KineFXが導入されました。ジオメトリコンテキストに設定されたこれらの新しいワークフローにより、リギングは手早くつなぐだけで、無限の柔軟性やキャッシュ機能を提供します。

また、KineFXについては別途こちらの記事に詳細を記載しています。併せてご覧ください。

■新しいSOPリギングフレームワークの基礎的な初期レベルがリリース

すべてのリギングを(宣言式の)OBJレベルから(命令式の)SOPレベルに移行されました。ポイントはジョイント(関節)と捉えます。


■MotionClipsによる新しい非破壊なモーション編集

モーションをジオメトリとして表現するとことで、リグシーケンスの視覚化、編集、ブレンドが容易になります。歩行や傾斜を登るキャラクターに、足のスタビライゼーション(安定化)を追加することができます。あるクリップの腕を別のクリップの脚と組み合わせることで、モーションライブラリに多様性を追加することができます。


■モーションのリターゲティング

モーションの作成と編集のための総合的なツールセットがバージョン1としてリリースされました。以下のノードが実装されています。

Rig Match Pose SOP Map Points SOP FK Transfer SOP
Rig Attribute VOP SOP Rig Wrangle SOP Rig Python SOP

・新しいプロシージャルリターゲティングツールセット
下の動画では、Rig Match Pose SOPやMap Points SOPを使用した、リターゲティングアニメーションについてご紹介しています。


■物理ベースのFull Body IKソルバ

キャラクターや群集向け物理ベースのFull Body IKソルバが実装されました。
新しいFull Body IK SOPノードによる重心の制御と、新しいConfigure Full Body IK Joints SOPおよびConfigure Full Body IK Targets SOPによる、さらなる設定機能を備えた物理ベースのFull Body IKソルバーが追加されました。

 Full Body IK SOP Configure Full Body IK Joints SOP Configure Full Body IK Targets SOP


■衝突検出の使用

SOPリグとキャラクターの衝突検出が可能になりました。

(キャラクターモデル提供:Christophe Desse氏)


■新しいCharacter Rig Tree View

階層の視覚化と編集に特化した新しいCharacter Rig Tree Viewペインが実装されました。


■Pose Libraryペインの更新

Pose Libraryペインが更新され、SOPポーズのキャプチャとアプリケーションをサポートするようになりました。


■ジオメトリからスケルトンを作成したポージング

ジオメトリベースのスケルトンをインタラクティブに、作成および編集することができるSkeleton SOPと、リグやスケルトンのポーズを受け取りアニメーション化することができるRig Pose SOPが追加されました。

Skeleton SOP Rig Pose SOP


■強力なI/O機能

1.複数のキャラクターソースからの直接的な取り込みを行います。
・OBJレベルのリグ
・エージェントプリミティブ
・FBX、USD
・モーションキャプチャ(Biovision、Acclaim、Motion Analysis)

2.リターゲティングされたモーションを複数のソースにエクスポートします。
・OBJレベルのリグ
・エージェントプリミティブ
・FBX、USD (エージェント経由)

■キャプチャレイヤーのペイント機能の更新

キャプチャレイヤーのペイント機能が更新されました。


■USDからのインポート

USDから複数のキャラクタ関連データを取り込むSOPが追加されました。 以下が追加されたノードです。

USD Animation Import SOP USD Skin Import SOP USD Character Import SOP


■再設計されたAutorig

Autorigのインフラは、HDAベースのモジュールを使用するように変更され、基本的なリターゲットに対応しました。


■強力な新しい制作主導のヒーローとクラウドファイナリング機能

新しいAgent Character Unpack SOP、Agent Animation Unpack SOP、Agent Pose from Rig SOPを使って、主人公とキャラクターを完成させましょう。

Agent Character Unpack SOP Agent Animation Unpack SOP Agent Pose from Rig SOP

新しいAgent from Rig SOP、Agent Layer SOP*、およびAgent Clip SOP*を使用して、SOPリグとアニメーションからエージェントを作成します。
*Agent Layer SOP、Agent Clip SOPは、Houdini18.5では機能改良が行われました。

Agent from Rig SOP Agent Layer SOP Agent Clip SOP

Agent Clip SOPでSOPベースのモーション編集ツールからエージェントクリップをインポートします。これには、新しいStabilize Joint SOPによる足の着地や、新しいExtract Locomotion SOPによるロコモーションの抽出が含まれます。

Stabilize Joint SOP Extract Locomotion SOP


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■新しいジオメトリレベルのFBXキャラクターのインポート/エクスポート

FBXデータの入出力に対する多くの機能強化を行いました。
・Pathアトリビュートを介して、階層をエクスポートすることができます。
・アトリビュートに基づいて、個別にメッシュをエクスポートすることができます。
・破壊されたジオメトリに対して、個別にトランスフォームをエクスポートすることができます。
・本来のHoudini座標系から変換することなく、エクスポートされた座標系をオーバーライドすることができます。
・異なる座標系変換を使用して、FBXファイルをエクスポートすることができます。
・足りないキーフレームへのチャネルをベイクして出力する機能が追加されました。
・59.94FPSのエクスポートに対応しました。
・FBX入力パネルの高さの変更が可能になりました。
・HoudiniのPrincipled Shaderとのパリティ(等価性)向上のためのFBXマテリアルのインポートオプションが追加されました。FBXインポート時に、FBXの単位を考慮するオプションが追加されました。


■Dynamic Warp CHOPの追加

モーションを編集できるようにDynamic Warp CHOPが追加されました。
※こちらの機能は、Houdini18.0.499でバックポートとして実装されました。


■Crowd SolverとAgent Terrain Adaptation SOPの地形プリミティブグループのサポート

Crowd SolverやAgent Terrain Adaptation SOPで地形が指定されたプリミティブグループのレイ交差が最適化されました。

(キャラクターモデル提供:Christophe Desse氏)


■Agent Layer SOPにShape Deformerコントロールを追加

Agent Layer SOPを使用して、シェイプバインドの生成に使用する、Shape Deformerを制御することができます。


■USDスケルトンからアニメーションクリップをインポート

Agent Clip SOPを使用して、1つ以上のUSDスケルトンプリミティブからアニメーションクリップをインポートすることができます。

Inputパラメータを[USD]に指定することで、1つ以上のUSD Skeleton Primsからアニメーションクリップを作成します。


■Crowd Source SOPでのパターンマッチング

Crowd Source SOPの初期状態をランダム化する時にエージェントのクリップ名に対して、パターンマッチングを使用することができます。


■ジョイント制限の迅速なリセット

Agent Configure Joints SOPですべてのジョイント制限を簡単にリセットすることができるようになりました。

[Reset All Limits]ボタンをクリックすると、すべてのジョイント制限を初期値にリセットします。



レイアウト

Solaris でのショットの設定はこれまでになく簡単になり、バリアントの視覚化と展開機能、Edit ツールを改善し、操作アセットの管理のためのスプレッドシートインターフェイスを提供、そして RBD シミュレーションの効率的処理のための専用ツールが搭載されました。

バリアント

編集

RBD


■改良されたEdit LOP

Edit LOPでの物理ベースの配置が最適化され、大規模なシーンでのインタラクティブなレイアウトを高速化します。

Edit LOPでインスタンス可能なリファレンスとローカルトランスフォームを編集できるようになりました。


■Mask From Bounds LOPが追加されました。

このLOPは、ジオメトリとバウンディングボックス/スフィア/ジオメトリとの、オーバーラップに基づいて、1つ以上のプリミティブ上にprimvarを作成します。


■.bgeoファイル用のUSDプラグインは、圧縮形式(.bgeosc, .bgeogz, .geosc, .geogz)を扱えるようになりました。


■Explore Variants LOPが追加されました。

このLOPは、プリミティブで利用可能なすべてのバリアントをビューポート内に簡単に表示して、実際にインスタンス化したいバリアントを選択することができます。

FX

■Retime Instances LOPが大幅に高速化されました。

ポイントインスタンスに対して10倍高速化され、メモリ使用量も改良されました。リタイムの回数が多くなるほど、劇的に高速化されます。


■RBD Destruction LOPが追加されました。

このLOPは、基本的な破壊タスクを実行するシンプルな方法として利用する場合や、ユーザがより複雑なツールを構築する際に使用するテンプレートとして動作させることもできます。


■Geometry Sequence LOPが追加されました。

このLOPは、簡単にbgeoシーケンスファイルをアニメーション化されたUSDシーングラフの単一の塊として読み込むことができます。


■HDA Dynamic Payload LOPが追加されました。

HDA Dynamic Payload LOPを使用すると、デジタルアセットからアニメーション化されたUSDジオメトリを簡単に生成することができます。


■UsdSkelデータのインポートをサポートしました。

Crowd AgentがUsdSkelのインポートに対応しました。


シェーディング

■シェーダのトランスレーションパフォーマンスが20倍高速化しました。


■USDマテリアルを参照するワークフロー

マテリアルを参照するワークフローでは、他の(既存の)USDマテリアルからプロパティを継承して、新しいUSDマテリアルをオーサリング(作成)することができます。
実質的には、ユーザが既存のUSDマテリアルプリミティブとその参照する方法を指定できるように、マテリアルVOPノード上のいくつかのSpareパラメータに集約されています。トランスレータは、それらのSpareパラメータを解析して、VOPノードに基づいて新しいUSDマテリアルを作成します。

■VOPでのOSLシェーダのサポート

OSLシェーダのサポートによって、シェーダ開発者は、OSL Builderネットワーク内でVOPsを使用して、OSLシェーダを構築することができます。(Surface Shader BuilderによってVEXサーフェスシェーダを構築することができることと同じ機能です) 
シェーダトランスレータスクリプトは、そのようなネットワークを認識し、OSLシェーダコードを生成し、そのコードを参照したUSDシェーダプリミティブを作成します。OSLシェーダを使用するレンダラーであれば、この機能を使用することができます。

■新しい imaketx コマンドラインユーティリティ

新しいimaketxコマンドラインユーティリティは、画像ファイルから「mipmapped .exr」または「.rat テクスチャ」を作成します。


■USDのnamespaceパスを扱うためのVEX関数を追加しました。

usd_boundmaterialpath, usd_collectioncomputedpaths, usd_iscollectionpath, usd_makeattribpath, usd_makecollectionpath, usd_makepropertypath, usd_makerelationshippath, および usd_parentpath を参照してください。


■USDのVEX機能が最大40倍高速化されます。

VEXの最適化によって、USD配列アトリビュート上でのVEXコードの実行が高速化されます。いくつかのテストでは、配列を事前に取得してキャッシュ化することで、大規模配列に対するパフォーマンスが40倍改善されました。


■VOPインプットのプロモート

パラメータに対応するVOPインプットをプロモートすると、そのパラメータのタグが適切にプロモートされるようになりました。


ライティングとレンダリング

ライトミキサー

新しいライトミキサーにより、インタラクティブハンドルを含むライトのすべての側面を操作できるようになりました。このツールにより、ライトの追加が簡単になり、ショットライティングのためのハブになります。

マルチショット

マルチショットシーケンスでは、コンテキストの編集オプションと挿入ポイントにより、ショットごとにライトを追加するかシーケンスごとにライトを追加するかの決定に役立ち、ライトの管理が容易になりました。

■強化されたLight Mixer

・Light LOP用のビューポートステートをLight Mixerのビューポートステートとして使用することで、ビューポートのハンドル操作を介してトランスフォームや一部のライトパラメータ (barn doors) を設定することができます。

・また、Edit LOPのトランスフォームのスプレッドシートをLight Mixerパネルに統合しました。

・任意のライトタイプを作成して、Light Mixerの上流に接続された “Lights” サブネット内にそれを格納するためのオプションが追加されました。

・サードパーティ製レンダラーでは、独自のライトタイプをメニューに追加することができます。
・スプレッドシートビュー内のアトリビュートがエクスプレッションに対応しました。
・PythonによるXML定義のメニューに対応しました。
・カスタマイズ可能なツールとアトリビュートメニュー


■レンダリングスナップショットギャラリー

・後で比較してベストショットを選択できるように、IPR画像を追加メタデータ付きでクィックスナップショットを撮ることができます。

・ユーザがスナップショットを撮って、それらのスナップショットを比較し、選んだサムネイルの生成に使用された状態にLOPネットワークを戻すことができます。

・LOPビューア下にレンダーギャラリーのサムネイルストリップを用意しました。
・画像ビューアペインが用意されました。そのペインの下にレンダーギャラリーサムネイルストリップも用意されました。


■LOPビューアからすべてのレンダーデリゲートの設定にアクセスすることができます。

現行のレンダーデリゲートに関係なく、すべてのレンダーデリゲートのディスプレイ設定を変更することができます。


■OpenGLビューポートを強化しました。

ライト投影マップの対応を改良しました。 ドームライトの環境マップはUSDで指定された向きを使用します。


■Distant Light LOPが追加されました。

Karmaで期待通りに動作させるために、Light LOPのデフォルト値を変更する必要があり、独自のノードとして実装されました。


UX

■Solaris ビューア

Solarisビューアは、個別の小さなジオメトリプリミティブをまとめて、それらを1つのピースとしてグラフィックカードに送信するようになりました。
これにより、たくさんの小さなプリム(例えば、木の上の葉など) を使用したシーンの描画やインタラクティブなタンブルが非常に高速化します。

■マルチショットワークフロー用の挿入ポイントの指定

ユーザがネットワーク内で挿入ポイントを指定することができます。この挿入ポイントは、インタラクティブツールによって新しく作成されるノードの場所を指しています。


■LOPクックの詳細なパフォーマンストラッキング

LOPノードがクック時間をいくつかのコンポーネント(入力ステージのコピーやプリミティブパターンの評価など) に分割しています。


■シーングラフの詳細をスプレッドシートで表示することができます。

Scene Graph Detailsペイン内のシーングラフの詳細に、アクセスすることができるフルスプレッドシートが実装されました。


■Scene Graph Tree

Scene Graph Treeでは、Descendantsの列は、各プリムの下にプリムがいくつ存在するかを示しています。

これは、大きなシーンで複雑になっているところを確認する際に役立ちます。


■USDプリム、コレクション、プロパティのMMB Infoの追加メニュー

USDプリミティブ、コレクション、プロパティのMMB InfoにXMLコンテキストメニューが追加されました。


■Selection Ruleの設定と編集が改良されました

Selection Ruleの設定と編集が改良されました。 Scene Graph Tree Collectionsパネル内でSelection Ruleを作成/編集/削除することができます。
Selection Ruleの専用編集パネルによって、パターンマッチングのテストと評価、測定のタイミング、アイコンの設定などが行えます。


■USDビューでは、ObjectまたはSOPネットワークの内部に埋め込まれたLOPステージをLOPネットワークに表示しなくなりました。


■アンロードされたペイロードのバウンディングボックス表示

プリミティブにアンロードされたペイロードが含まれていて、そのプリミティブにextentsメタデータの情報がある場合、ビューポートはそのペイロードに対してバウンディングボックスを描画します。


■プリミティブパターンのマッチングが改善されました。

プリミティブパターン評価で長いリストのパフォーマンスと機能が改良されました。
検索時のステージ走査がマルチスレッド化されました。
パターンイントロスペクションを使用して、必要でない場合は、すべてのプリミティブに対して負荷の高いVEXクエリの実行を回避します。
特定のKindのすべてのプリミティブの検索やSelection Ruleの実行などの、重要なクエリの評価を大幅に高速化するために、拡張可能なオートコレクション機能が実装されました。

■USD 20.08を全面的にサポートしています。


■USD Packed PrimitivesがLOPノードを参照することができます。

USD Packed Primitive上のusdfilename IntrinsicアトリビュートでLOPノードの “op:/” パスを指すことができます。これらのパスをbgeoファイルに保存することができるので、bgeoファイルを読み込んだ時にそれらのパスを復元することができます。


■USD ROPと.USDファイルをより柔軟にエクスポート


■ディスプレイフラグの表示

LOPネットワークに表示フラグを設定しないことが可能になり、その場合、ビューアは、ディスプレイフラグの付いた最も近い親ネットワークの出力を表示します。

これにより、サブネットワークに潜った場合でも、親(ancestor)ネットワークの出力をビューアで確認することができます。

■ビューアでのインスタンスの選択

非常に複雑なインスタンスの設定でも、ビューアでのインスタンスの選択が機能するようになりました。


 ■再設計されたCollection LOP

Collection LOPのパラメータが改良されました。


■USD Renderノードが改良されました。

USD Render ROPで、他のUSDファイルへのパス参照が更新されないというバグを修正しました。

他にも多くの機能強化が行われています。

■シェーダ変換ワークフローが改良されました。

・Material Library LOPパラメータがさらに一般的なワークフローでも利用しやすくなるように再設計されました。

・内部のVOP情報を自動入力する「Auto-fill Materials」ボタンが新しくなり、ポップアップダイアログが表示されるようになりました。

・(マテリアル入力に接続されている入力を使用して) Bind VOPをUSD Prim Var Readerシェーダとして変換します。


■Graft Branches LOPが追加されました。

このLOPは、2番目の入力上の一連のソースパスを (オプションのFrame Offsetを使用して)1番目の入力ステージにコピーすることができます。


■Split Primitive LOPが追加されました。

このLOPは、ジオメトリサブセットを含んだメッシュを別々のメッシュに分割します。


■Blend Constraint LOPが追加されました。

Blend Constraint CHOPと同様に、1番目の入力で指定されたプリミティブと2番目の入力で指定されたプリミティブの間でトランスフォームコンポーネントをブレンドします。


■高速なSOP Import LOP

SOP Import LOPに2つのオプションが追加され、最良の動作を提供するSOP Modify LOPやSOP Create LOPに適切なデフォルトを設定することができます。


■使い易いモーションブラーの設定

・もっと単純で洗練されたワークフローでモーションコントロールパラメータにアクセスして変更できるようになりました。モーションブラーの設定が非常に簡単になりました。
・常に、USDカメラを通してビューポートを見ているため、シャッターの開/閉時間が常に利用可能になりました。
・Karmaのジオメトリ設定には、いずれも各グローバルレンダー設定に一致しており、そのグローバルレンダー設定でジオメトリ設定をオーバーライドおよびデフォルトとして、作用させることができます。
・デフォルトのモーションブラー設定は、2つのタイムサンプルによるトランスフォームモーションブラーと変形モーションブラーを有効にします。
・関連するカメラまたはレンダー設定を変更すると、自動的に必要に応じてKarmaを再起動します。 
・モーションブラーのみを使用するには、必ず複数のタイムサンプルがジオメトリ上に存在している必要があります (これはCache LOPを使用すると非常に簡単です)。


■Karma LOPパラメータのインターフェイスを再設計しました。

Karma LOPパラメータは、よりアクセスしやすく、より綺麗で直感的なレイアウトに変更されました。


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■Payloadsの読み込みコントロールが追加されました。

Sublayer LOPでLOPネットワークのクック時にPayloadで読み込むためのコントロールが追加されました。


■SOPからの配列アトリビュートをサポートしました。

ポイントインスタンスプリミティブを作成時のSOP Import LOPでのSOP配列アトリビュートに対応しました。


■デフォルト以外のアトリビュート値のタイムサンプリング

デフォルト以外でのアトリビュート値のタイムサンプリングを制御するための、特別なDetailアトリビュートがbgeoファイルに追加されました。


■HDA Processorをサポートしました。

USD/LOPデータの大規模スケールのPDG計算を効率的に行なえるようにするためにHDA Processorに対応しました。


Karmaは、Houdini18.5では未だベータ状態ですが、ファー対応、物理レンズシェーダ、Mplay へのプログレッシブレンダリングなどの新機能で進化を続けています。
これらは、Mantraとの同等の機能を達成するための重要なステップです。

レンズ

Mplay


■デノイザのサポートが強化されました。

デノイザのサポートが大幅に強化されました。これは、サードパーティ製のデノイザのみ対応します。Intel Open Image Denoise、またはNVIDIA OptiX Denoiserを使用したAIベースのデノイザは、レンダーデリゲートビュー、コンポジットノード、コマンドラインユーティリティで利用できます。


■モーションブラーの強化されました。

モーションブラーの改善、スムーズなポリゴンシェーディング、メモリ使用量の削減など、パフォーマンスと品質が全体的に向上しました。

デフォルトでモーションブラーが有効になりました(そして、USD instantaneousShutterコントロールに対応しました)。さらに、Solarisビューポートでのモーションブラーの動作が改善されました。


■Heightfieldの直接レンダリング

TerrainのHeightfieldを直接レンダリングします。


■MPlayへのプログレッシブレンダリング

レンダリングされた画像をIPRの方法でMplayにプログレッシブに送信することができます。


■ディスクへのレンダリング中のMplayをモニタリング

ディスクへのレンダリング中にMPlayでレンダリングされた画像を監視することができます。


■物理特性を使用したレンズシェーダ

インタラクティブな焦点面の可視化が可能なPhysical Lens VOPを含むレンズシェーダに対応しました。


■チェックポイントに対応しました。

Karmaは、チェックポイントをサポートします。チェックポイント設定とチェックポイントから中断されたレンダリングを再開することができます。これは、Cryptomatteでも動作します。


■オーシャンレンダリングの改善

オーシャンレンダリングが改善されました。


■ディスプレイスメントのエクスポート

Karmaは、ディスプレイスメントシェーダーからのエクスポートをサポートするようになりました。


■Round Edge

Round Edgeシェーダを使用すると、ジオメトリをベベルすることなく、レンダリング時にジオメトリのエッジに丸みを持たせることができます。traceなど、より多くのVEX関数が新しいレンダラーに移植されたことで、Karmaで利用可能になった機能の一例です。


■VEX trace機能のサポートを限定

丸みを帯びたエッジレンダリングなど、VEX trace機能のサポートは限定的です。
Irradiance(グローバルイルミネーション)は、Mantraのように完全に機能していません。
下画像は、丸みを帯びたエッジの比較画像です。


■LPEに対応しました。

Karmaは、全てのUSD機能、Extended Lightタグ、BSDFラベル、primvarsを含むこのLight Path Expression(LPE)をサポートするようになりました。


■カスタムライトシェーダの対応

ユーザ定義のライトシェーダに対応しました。


■プレビューシェーダの大幅なサポート

プレビューシェーダのパフォーマンスが大幅に強化され、プレビューシェーダのVOP (USD Preview Surface など) に、AOVとして使用できるシェーダエクスポート(export_specularColor、export_emissiveColor、export_metallic など) が追加されました。


■Cryptomatteに対応しました。

Karmaは、AOVでCryptomatteに対応しました。


■テクスチャの重要度サンプリングのためのVEX関数

Karma用にテクスチャ/フィルタの重要度サンプリングを行うためのVEX関数(VEX importance_remap)が追加されました。


■Huskでのレンダリング前後のPythonスクリプトのサポート

Huskでpre-render、post-render、pre-frame、post-frameのスクリプトに対応しました。


■Huskでのタイルレンダリングのサポート

Huskでタイルレンダリングに対応しました。


■インスタンス単位のジオメトリレンダー設定をオーバーライドします。


■シェーダのインポートに任意のprimvarsをバインド

任意のprimvarsをシェーダインポートにバインドできるようになりました。


■スムーズシェーディングが改善されました。

スムーズシェーディングが改善されました(ポイント法線の代わりに頂点法線が使用されます)。


■レンダー診断が改善されました。

・診断情報のリストが増加しました。
・AOVs:CPU時間とピクセルサンプル数
・詳細なレンダー時間の内訳

■テクスチャの命名規則に基づいたOCIO変換

テクスチャの命名規則に基づいたOpenColorIO変換が可能です。


■imaketxユーティリティプログラムの追加

.ratや.exrテクスチャマップを作成するimaketxツールが追加されました。


■ライトシェーダのオーバーライドをサポート

USDライトの評価に使用されるライトシェーダをオーバーライドできるようになりました。


■ジオメトリと可視性のオーバーライドをサポート

USDのインスタンスごとのジオメトリと可視性のオーバーライドをサポートします。


■より高品質なファーのレンダリングに対応


■ユーザーが制御可能な収束モード

パストレーシングモードは、IPRに対して即時フィードバックを提供します。分散モードでは、各タイプのレイの送信数を完全に制御できます。
バリアンスは、条件に基づいて間接サンプル数を自動的に選択します。

■OpenEXRのメタデータ出力が改善されました。

Karmaは、OpenEXR出力ファイル(レンダリング設定など)にさらに便利なメタデータを埋め込むようになりました。レンダーノードのパラメーターを使用して、EXRファイルに追加するカスタムメタデータを指定することもできます。


■Karma GPU+

Houdiniの将来のリリースの目標の1つは、Karma GPU+で、Solarisワークフローにより高速なレンダリングをもたらすことです。このテクノロジーは、まだ開発中(Houdini 18.5では、利用できません)ですが、このテクノロジーの進歩状況のプレビューを共有します。


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■Random Walk SSS

Random Walk SSSは、ディテールの保持と細かいエッジ周辺のエネルギー損失を回避するのに適した、パストレースソリューションアルゴリズムです。

この新しいタイプのサブサーフェス散乱(SSS)は、光が物体内部で跳ね返る様子を外に出るまでシミュレートするパストレースソリューションを提供します。
この方法を使用すると、ディテールが保持され、細かいエッジ周辺のエネルギー損失を回避することができます。
このSSSの方法は、Karmaのために開発されたものであり、Mantraには提供されません。
この機能は、Principled Materialに組み込まれており、SurfaceタブのSubsurface Scatteringで確認できます。


■適応サンプリングが改良されました。

新しいPixel Oraclesなどのおかげで、適応サンプリングとバリアンスアンチエイリアスが改良されました。


■Ptexに対応しました。

KarmaはPtexテクスチャをサポートするようになりました。


■primvar AOVに対応しました。

任意のprimvarをAOVとして出力できます。Karma LOPの[Image Output] > [AOVs]タブを参照してください。


ジオメトリ生成およびモデルを構築するためのHoudiniのプロシージャル手法はリリースの度に進歩しています。Houdini 18.5 には、効率的な作業をさらに簡単にし、より多くのことを達成できるように設計された様々な新しいツールが含まれています。

■Attribute from Pieces SOPの追加

このSOPは、ランダムにピースを割り当てる、またはアトリビュートに基づいてピースを割り当てるなどの複数の方法を用いて、点群上にpieceアトリビュートを作成する際に使用されます。


■Chain SOPの追加

このSOPは、曲線に沿って1つ以上の幾何学的なピースを繰り返し生成し、高速にジオメトリをインスタンス化します。


■インタラクティブステート

PolyBevelやSideFXLabsのBoxcutterなどのツールは、インタラクティブなPythonステートを使用して、アーティストのビューポート作業時の操作性を向上させています。


■Houdini18.5 追加されたノード

Mask by Feature SOP
キャストされたシャドウとライティングに基づいて、ジオメトリ上にポイントマスクを作成します。

このノードを使用すると、Scatterをマスクすることができます。例えば、物の上部に植物を成長させたいが、下の暗い領域では成長させたくない場合などに使用します。 また、アンビエントオクルージョンを使用して、岩を他のオブジェクトの亀裂の中に散乱させたい場合にも使用できます。

Scatter and Align SOP
サーフェスに沿ってポイントを分散し、ランダムなスケーリングと方向をポイントクラウドに適用します。

サーフェス上にポイントを散布し、そのポイントにオブジェクトをコピーまたはインスタンス化したり、森や岩場のような大量のオブジェクトの作成を可能にします。ポイントアトリビュートによって、コピーやインスタンスのスケールや方向の設定変更が可能です。


■PolyBevel SOPの機能強化

数学/アルゴリズムと操作性が改良されました。より堅牢で直感的なベベル結果が得られます。
・ビューポートでのエッジの再選択の機能が向上しました。
・ベベルとスマートエッジ検出を改善しました。


■SDFからVDBのアクティブ化

VDB Activate SOPがSDFを使ってボクセルをアクティブ化させることが可能になりました。


■Attribute Paint SOPのUIの改良

Attribute Paint SOPがブラシのストロークパスを表示できるように改良されました。


■VEXで新しいdictionaryタイプが追加されました。

SOPジオメトリは、各要素(ポイント、頂点、プリミティブ/面、またはジオメトリ全体/ディテール)がkey/valueマップを格納できるアトリビュートタイプであるdictionaryアトリビュートをサポートするようになりました。


■VEXでJSONエンコード/デコードができるようになりました。


■結合時の法線の自動計算

法線ありのジオメトリと法線なしのジオメトリを結合(Merge)した際に、法線が自動計算されます。


■UV Flattenの改良

UV Flatten 3.0は、再構築と最適化が実施されたため、大半の場合は高速化され、一部の拘束が完全に機能しないバグも修正されました。


■Bound SOPの改良

Bound SOPがtransformアトリビュートを作成するときに、アトリビュートタイプを[None]ではなく[Matrix]に設定するようになりました。


■Node Infoウィンドウの連結していないポイント数

繋がっていないポイントの数がジオメトリのInfoポップアップで表示されるようになりました。


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■Topo Transfer SOP

標準メッシュを高密度スキャンまたはスカルプトのメッシュにマッピングすることができるTopo Transfer SOPが追加されました。
※こちらは、Houdini18.0.499でバックポートとして実装されました。

Topo Transfer SOPは、ソースメッシュを基に、サイズと形状が異なるターゲットメッシュに一致するようにソースメッシュを非剛体的に変形させます。このSOPを使用することで、ソースメッシュとターゲットメッシュの間にユーザ定義のランドマークポイント対応を設定して、変形の品質を向上させることができます。


■Path Deform SOP

パスに沿ってジオメトリを変形させることができるPath Deform SOPが追加されました。
※こちらは、Houdini18.0.499でバックポートとして実装されました。

このSOPを使用することで、長い柔軟なオブジェクトを任意の形状に変形させることができます。また、ムチを打つような静的ジオメトリの変形をカーブでアニメーションさせたり、サメがパスカーブに沿って移動したり曲がったりするときのように、カーブ上にジオメトリのマッピングをアニメーションさせることもできます。


■GLTFマテリアルエクスポートにブレンドモードが追加されました。

GLTFマテリアルをエクスポートする際のブレンドモード (レンダリングパラメータ内のglTF AlphaModeとglTF AlphaCutoff) を指定することができます。


■Group系SOPの改良

様々な操作性が強化されました。
・Group by Range SOP、Group Expand SOP、Group Promote SOPのパフォーマンスと割り込みが改良されました。
・Group Create SOPのバウンディングボックステストに、すべてのプリミティブタイプが対応しました。
・Group化ノードはより高速で、Escキーによる中断に対してより迅速に応答します。

Range SOP Group Expand SOP
Group Promote SOP Group Create SOP


■Enumerate SOPがPieceアトリビュートに対応しました。

Enumerate SOPがピース毎にエレメントをリストできるようにPieceアトリビュートに対応しました。


■Bend SOPハンドルUIが改良されました。

Bend SOPのビューポートステートによるハンドルの挙動が改良されました。


■Geometry Spreadsheetが完全な精度で表示されます。

Geometry Spreadsheetに完全な数値精度で値を表示するオプション「Full Precision」が追加されました。



PDGは、依存関係をスマートに管理しながら生産性を向上させ、変更時の再計算を最小限に抑えるようにデザインされた豊富なストックノードのセットを提供、パイプラインを自動化しチームの生産性をこれまで以上に高めるための理想的なソリューションとして位置付けられています。

UI/UX

■TOPsノード内の大量の作業項目を複数の「ページ」に表示

TOPノード上のワークアイテムドットの表示をページ化することができるようになりました。ワークアイテムの数がTOPノードで制限された領域を超えた場合に役立ちます。


■TOPネットワークのCook Controlsを任意のノードにプロモートする新しい機能が追加されました。


■他のネットワークタイプからの可視性

Cook Controlsパラメータフォルダを追加し、TOPネットワークを選択することで、ネットワークエディタにもワークアイテムのドットが表示されるようになりました。


■Task Graph TableウィンドウのUIが改善されました。

Task Graph Tableのデザインは一新され、テーブルで表示される現行グラフとノードをフリーズさせるためのピンボタンが追加されました。


■ワークアイテムコンテキストメニューに簡単にアクセスできるようになりました。

Task Graph Tableからワークアイテムのコンテキストメニューが利用可能になりました。


拡張性とパフォーマンス

■多くのノードの改良

多くのノードとスケジューラ (特に、FFMPEG、CSV、USD) が大幅に改善されました。


■パフォーマンスとメモリ使用量の改善

大量のワークアイテムセットに対して、パフォーマンスが30%高速化、メモリが75%削減されました。


■Performance Monitorが改善されました。

TOPクック時に評価されるノードコールバックの詳細なタイミングを含む、Houdini Performance Monitorでの、TOPs/PDGに対応できるように改善されました。

Houdini 18.5では、処理速度向上が重要なイニシアチブでした。 Houdini Engine での ROP Fetch クッキングから、一般的なパフォーマンスとメモリ使用量の改善まで、PDG はパイプラインタスクを自動化するためにこれまで以上に強力になりました。


キャッシング

■自動キャッシュの改善

下流の依存関係をDirtyにできるように、Automatic Cachingモードが改良されました。


■カスタムキャッシュファイルの検証

カスタムのキャッシュファイル検証フックに対応しました。


フレーム範囲

■フレーム範囲の調整

Range Extend TOPで、範囲を拡張する前と拡張した後の両方でフレーム範囲を移動することができるようになりました。


■改良されたROP Fetch TOP

ROP Fetch TOPに、PDGがそのターゲットROPノードのフレーム範囲をオーバーライドしないように防ぐモードが追加されました。


■改良されたPartition By Frame TOP

Partition by Frame TOPの入力フレーム範囲に負のフレームを含めることができるようになりました。


PDGサービス

■新しいPDGサービスシステムが追加されました。

計算リソースを最適化して使用できるようにするための、新しいPDGサービスが追加されました。
※Houdini18.5のみ、PDGサービスがすべてのROP Fetchベースのノード (ROP Fetch, ROP Alembic, ROP Composite, ROP Geometry, ROP Mantra, ROP USD) に対応しました。

ダウンロード可能なツール

■新しいダウンロード可能なShotgunパブリッシャーツールです。

このHoudiniデジタルアセットを使用すると、さまざまなライティング条件でアセットをレンダリングし、レンダリングしたものを動画に変換して、プロジェクト管理ソフトウェア(例えばShotgunなど)に動画を公開することができます。

SHOTGUN 設定ツール


スケジューラ

■In-Processスケジューラが改善されました。

In-Process Scheduler TOPは、パスのローカライズと非ローカライズを備えた、同時進行のIn-Processワークアイテムの最大数を設定します。
ジオメトリのインポートがIn-Processスケジューラによって、より簡単に実行できるようになりました。

■メインスレッド上でIn-Processワークアイテムを実行することができるようになりました。

In-Processスケジューラの一部として、メインスレッド上でIn-Processワークアイテムを実行するのかどうかを切り替えることができます。


■ファイルシステム間のパスマッピングが簡略化されました。

パスマッピングは、クロスプラットフォームでの使用で役立ちます。既存の環境変数を廃止しました。新しいスキームは、大抵のファームスケジューラが使用しているものに近くなりました。


■Deadline Scheduler TOPとの連携を強化しました。

Deadline Scheduler TOPのMessage Queue(MQ)のサーバーとリレーが再設計されました。

Deadline Scheduler TOPでは、ワークアイテムのexport environmentアトリビュート、各種MQタイプ(ローカル、ファーム、コネクトなど)、OpenCLやRedshiftノードのGPUアフィニティ設定に対応しました。

プロセッサー

■動的プロセッサがより柔軟で効率的になりました。

動的プロセッサ系ノードでは、新しいワークアイテムを生成する前に、入力ノードが完全に生成、または完全にクックされるのを待つかを選択できるオプションが追加されました。


■PDGプロセッサーノードからジョブパラメータにワンクリックでアクセスできるようになりました。


パーティション

■パーティショニングの前にアトリビュート値でワークアイテムをグループ化

最初の作業は、Houdini18にバックポートされました。Houdini18.5では、パーティション上にコピーしたいアトリビュートを指定したり、複数の入力ワークアイテム上に表示されるアトリビュートのマージ方法を指定するための明示的なコントロールが追加されました。


■パーティション用のターゲットノード選択

パーティション作成にターゲットノード選択が追加されました。ターゲットノードは、パーティション作成の直接入力を必要とせずに、すべてのノードを選択したときにパーティションが作成されます。


ジオメトリの処理

■ジオメトリのインポートが改善されました。

Geometry Import TOPが上流のジオメトリをマージできるようになりました。

Geometry Import TOPで、ワークアイテムとしてインポートするグループを指定する際に、アドホックグループをサポートするようになりました。


画像の操作

■ImageMagick ノードの書き換え

改良されたUI/UX、バッチ処理のサポート、Image Magick TOPの全ての操作をサポート、およびImage Magick コマンドライン構文のより良い制御など、ImageMagick TOPが徹底的に見直されました。


Email

■再設計されたSend Emailノード

TLSと認証に対応できるようにSend Emailノードが再設計されました。


エクスプレッション

■アトリビュートや入力ファイルにアクセスするためのエクスプレッション関数

アトリビュートや入力ファイルにアクセスするための、新しいエクスプレッション関数が追加されました。例えば、サイズやタイプを照会したり、値をスペースで区切られた文字列として取得することができます。 

例えば、pdginputsize(tag)、pdgoutputsize(tag)、pdgattribvals(name)、pdginputvals(tag, localize)、pdgoutputvals(tag, localize)


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■特殊化されたFrame Range系ノード

専門別に分かれたFrame Range系ノード (Filter by Range、Range Generate、File Range) とAttribute Renameノードが追加されました。

Filter by Range Range Generate
File Range Attribute Rename


■機能を完全に備えたData Layer API

完全なData Layer APIを備え、パフォーマンスが大幅に向上しました。


OpenGL viewer

OpenGLビューポートは、すべてのライティングモードでの被写界深度とボケ対応に加えて、ユニフォーム及びボリュメトリックフォグ効果に対応しています。

■均一なフォグ、ボリュメトリックなフォグ、被写界深度の表示

3Dビューポートに、均一なフォグ効果を追加するための表示オプションが追加されました。
OpenGLを使用して、霧の密度、不透明度、高さ、奥行きの範囲を制御して、このフォグを視覚化することができます。また、太陽のように振る舞うDistant Light を追加し、太陽光が霧とどのように相互作用するかを制御することもできます。
このフォグは、OpenGL ROPを使ってディスクにレンダリングすることができます。

また、通常のビューポートとLOPビューポートで均一なフォグに対応し、これはHoudini18.0.499でバックポートとして実装されました。

Houdini18.5でのみ不均一なフォグ(Volumetric Fog)にも対応しています。

ビューをカメラにロックすると、Camera/light menuの背景が赤くなる(右側にロックアイコンが追加される)ため、ビューを変更すると、カメラが移動/回転するという反応がより目立つようになります。


■OpenGLビューでは、ボリュームオブジェクトを介して照明と影を表示するようになりました。


■ShadingのHidden Line Invisibleモードでは、背景画像が隠されるようになりました。


■複数のビューポートのサイズ調整

交差する点をドラッグして、複数のビューポートを一度にリサイズすることができます。


■ライトが多い大きなシーンで10倍高速な高品質ライティングを実行できます。


■背景画像のズームがデフォルトになりました。

2Dによるパンとズームの操作性を向上させるためにデフォルトで「Apply Zoom to Background Image」が有効になりました。


■OpenColorIO(OCIO)サポートの改良

HOMアクセスなどからのアクセスを介したOpenColorIOサポートを強化しました。


■64ビット精度のOpenGL ROP

ビューポートフラスタムとOpenGL ROPが正確に一致できるようにOpenGL ROPが64ビット精度に対応しました。
これにより、原点から非常に離れたジオメトリ上での頂点の歪みを防ぐことができます。


■より正確なカラー補正

四面体補間を使用した3D LUTによって、より正確なカラー補正を行うことができます。


■DDS画像に対応

Open Image IOを介したインポートのみであり、8ビットのみに対応しています。


■GlTF ROPは、glTF仕様でサポートされていないstringアトリビュートを書き込まなくなりました。

一部のジオメトリでプロモートする必要があるvertexアトリビュートをエクスポートする際のクラッシュを修正しました。


■改良されたMplay

MPlayでは、画像をデフォルトでOpenColorIO Scene-Linear カラー空間に設定するようになりました(”unknown “に代わり)。


■3DビューポートにマッチしたMPlayビュー

Open Color IOがアクティブな状態でフリップブックを作成した場合、そのビューポート設定に合わたMPlayが起動されるようになりました。


■2チャンネル画像のMplay

2チャンネル画像のMplay表示が改善されました。


ユーザーインターフェース

■ネットワークエディタでJキーを押したまま、ノードの上に線を引くことで、ノードを素早く接続することができます。


■スプレッドシートのTabキーの使用をサポートしました。


Pythonスクリプト

■Pythonハンドルのカスタム化

Pythonを使用してカスタムハンドルを構築できるようになりました。
現在のAPIは、かなりローレベルです。
Houdiniの将来のバージョンでは、よりハイレベルのAPIが用意され、独自のカスタムハンドルを簡単に作成できるようになります。

■3Dビューポートにガイド/UIを描画する「Drawables API」

ビューポート内での追加データの表示に対応した新しいAPIです。任意のSOPジオメトリまたはユーザが定義した他の形状を追加することができます。


■ビューポートステートのカスタマイズ性が改良されました。

・Viewer State Python APIが強化されました。
・Pythonステート向けにピックと位置決めの機能性が追加されました。これによって、本格的なPythonビューアハンドルを必要とせずに、PythonステートでローカルPythonハンドルを編集できるようになります。
・ガジェットをPythonステートにバインドするHOM APIが追加されました。
・Pythonステート向けにコンテキスト別のピック情報を格納するHOM APIが追加されました。

■Python 3.7に対応しプロダクションで利用可能です。


■Radialメニューを強化しました。

Radialメニューに改良を加え、ネットワークエディタで利用可能になりました。 
ネットワークエディタには、NキーにバインドされたデフォルトのナビゲーションRadialメニューが含まれるようになりました。


Houdini18.5でのVFXの重要なイニシアチブは、最終品質レベルの結果を容易に達成できるようにするための高レベルのツールの導入です。VFXのセットアップと実行が簡単になれば、アーティストは各プロジェクトのクリエイティブなニーズ対応のために、反復をより多く促します。

いくつかの主な機能が強化され、パフォーマンスが飛躍的に向上しました。

■Pyro FX プロダクションワークフロー

Houdini18.5には、Pyro BurstおよびTrail ツールが搭載され、最終品質の結果をより迅速に達成するために、シミュレーションの初期状態をプロシージャルにすばやく設定できるようになりました。これらのツールは、カスタマイズ性が高く、VFX への独自セットアップを多く作成することを容易にします。

Pyro Trail

Trail Collisions


■爆発の軌跡を簡単に追加できる機能を搭載した爆発のソーシングワークフロー

これにより、最小限のセットアップ作業で、印象的でハイエンドなPyro爆発をセットアップして、シミュレーションすることができます。


■新しいPyro Burst Source SOP

新しいPyro Burst Source SOPは、爆発のコアのソーシングを作成し、爆発がどのように見えるかを形作ることができます。
シングルバースト、マルチバースト、連続するマルチバーストを作成することができます。


■新しいPyro Trail PathとPyro Trail Source SOP

新しいPyro Trail PathとPyro Trail Source SOPを使用して、爆発の軌跡を追加できるようになりました。軌跡が爆発と相互作用するPyroシミュレーションの一部として、または、メインの爆発の効果を軌跡に反映させるための二次的なシミュレーションとして、爆発の軌跡を追加できるようになりました。

軌跡を生成するには、外に向かって発射される球状のものと、キノコ雲が上昇していくのに合わせて軌跡を開始させることができるバーストの方向に沿ったもののどちらかを選択することができます。

Pyro Trail Path SOP Pyro Trail Source SOP


■PyroFX インタラクティブソルバ

PyroFX シミュレーション形成の導入点として、GPUを活用しインタラクティブなパフォーマンスを提供する新しいツールが搭載されました。 これは、CPUを使用するよりも、洗練されたシミュレーションの効果的な開始点になります。

簡易GPU


■Pyro Solver SOPの新しいMinimal OpenCL Solveモード

Pyro Solver SOPの新しいMinimal OpenCL Solveモードでは、インタラクティブなリアルタイムシミュレーションパフォーマンスによって、まさに迅速なプロトタイプを作成できます。


■最小限のソルバーを実現するNvidia nanoVDBに対応


■Colorフィールドの追加

Sparse Pyro DOPにColorフィールドが追加されました。


■Attribute Noise SOPの改良

インターフェースを再設計し、クック速度を40~60%改善したAttribute Noise SOPを新たに改良しました。

下画像は、Houdini18.0と18.5のAttribute Noise SOPのパラメータを比較した結果です。
18.5では、Attribute Nameパラメータに[Vector][Float]を選択することができるプルダウンが追加されました。
また、新たに[Attribute Class]、[Noise Value]、[Use VEXpression]、[Make Vectors Unit Length]パラメータが追加されました。


■ボリュームをレンダリングするための新しいPyro Bake Volume SOPとPyro Shader VOP

これらの新しいノードにより、光り輝く火の玉やすすのような爆発を簡単に作成することができます。

Pyro Bake Volume SOP Pyro Shader VOP


■新規追加ノード

以下のノードは、Houdini18.5で新たに追加されたノードです。

Attribute Adjust Float Attribute Adjust Integer Attribute Adjust Vector
Ballistic Path Extract Point from Curve Pyro Scatter from Burst


■最新のPyro Burstツールを使用して、完全に構成された爆発

以下は、最新のPyro Burst ツールを使用した、完全に構成されたプロダクションで利用可能な爆発です。これらはすべてSideFX Content Libraryからダウンロードできます。

基本的な火の玉

側面の爆発

マルチバーストファイアボール

地上の爆発

シンプルな空中爆発


Pyro Shelf ツール

ここからは、新たに追加されたシェルフツール及び改良されたツールをご紹介します。


■新たに追加されたSimple Aerial ExplosionとAerial Explosionツール

SOPネットワークで空中爆発を作成するためのSimple FXシェルフにあるSimple Aerial Explosionと、DOPネットワークで空中爆発を作成するためのSparse Pyro FXシェルフにあるAerial Explosionです。


■新たに追加されたSimple Ground ExplosionとGround Explosionツール

Simple FXシェルフにあるSimple Ground Explosionを使用してSOPネットワークで大規模な地面での爆発を作成し、Sparse Pyro FXシェルフにあるGround Explosionを使用してDOPネットワークで大規模な地面での爆発を作成します。


■新たに追加されたSimple GPU Explosionツール

Simple FXシェルフにあるSimple GPU Explosionツールで、Minimal OpenCL Solveモードを使用して、GPU上で完全にシミュレーション可能な爆発を作成することができます。


■改良されたSimple FireballとSparse Fireball

Simple FXシェルフのSimple FireballとSparse Pyro FXシェルフのSparse Fireballは、現在、新しいPyroソーシングとベイクボリュームノードを使用して、大規模な上昇と拡大していく爆発を作成します。


■新たに追加されたSimple Bonfireツール

Simple FXシェルフにあるSimple Bonfireツールで、SOPネットワークでSparse Pyroソルバを使用してBonfireシミュレーションを作成します。これは、SOPネットワークのSparse Pyro FXシェルフのBonfireツールに相当します。


FLIP fluid

Houdini18.5では、アダプティブな圧力射影 (pressure projection) を拡張し、粘性流体も対応するようになりました。これにより、アーティストはサーフェス部分のディテールに集中でき、より高速なシミュレーション、または大規模であっても低メモリ消費のシミュレーションが実行可能になりました。

■FLIP Solver DOPの追加されたオプション

FLIP Solver DOPの[Solve Viscosity with Adaptivity]オプションを使用することで、表面から遠く離れた流体の圧力値がより粗い近似に置き換えられ、圧力の処理時間が短縮されます。


■Gas Adaptive Viscosity DOPの追加

適応グリッドを使用して、velocityフィールドに粘性を適用する、新しいGas Adaptive Viscosity DOPが追加されました。


■改良されたOcean Foam SOP

Ocean Foam SOPが相対カメラパスで動作するようになりました。


■物理を強化したワイヤーと布のモデリングを行うためのVellum Brush SOPが追加されました。

ビューポート内の Vellumクロス、 Vellumヘア、 Vellumソフトボディをインタラクティブにブラッシングするための Vellumブラシツールが追加されています。

Vellumブラシの状態で速度減衰を伴う準静的な操作が可能です。

Vellum ワイヤ

クロス

ソフトボディ


■GPU上でのPressure拘束が高速化され、拘束計算時の占有率が改善されました。


■Vellumソルバでクロス計算の高速化とスライドの安定化を図るためのSecondary Bend Constraint Passオプションが追加されました。

シルクやコットンなどの素材は、曲がる抵抗が非常に低く、しわが寄りやすいため、この機能は役立ちます。セカンダリーパスとして曲げの拘束を解くことで、強力なパフォーマンスの向上が期待できます。

Vellum Solverには、Traverse Triangles (Optimized)と呼ばれる新しいスライディング手法があり、Traverse Polygonsと同様に凹みの処理が改善されていますが、高解像度ジオメトリの場合は何倍も高速化されます。


■コンストレイントタグの追加

Vellum Constraintノードで作成されたすべての拘束のための文字列に対して、constraint_tag primitiveアトリビュートに格納するコンストレイントのタグが追加されました。このタグは、特定の拘束を簡単に変更するために、Vellum Constraint Property SOPのConstraint Group パラメータで使用することができます。


■Min Stiffnessパラメータの追加

Vellum Constraints SOPおよびDOPに、Stiffness Dropoffの計算時に使用される最小のスティフネス値を制御するオプションのMin Stiffnessパラメータが追加されました。


■Vellum Constraint Property SOPが追加されました。

Vellumコンストレイントの一般的なプロパティを変更するための新しいVellum Constraint Property SOPが追加されました。


■膨らませた体を簡単に設定してシミュレートを行うためのポイント毎のプレッシャースケール

Pressurescale pointアトリビュートごとのポイントに基づいて、圧力制限の効果をスケーリングするために使用できます。このアトリビュートは、面白い膨張効果に使用できますが、例えば、ピン止めされていないバルーンの片側のみで圧力スケールがゼロに近い場合、アンバランスな力になる可能性があるため、注意して使用する必要があります。

※ご注意

高速なPressure Constraint*により、NVIDIA Ampereシリーズカード用の最新のドライバーが必要です。これは、Windowsのバージョン456.38です。Linuxでは、バージョン450.80.02です。

*Pressure Constraintは、布を均一に外側に押し出して全体の体積を維持するので、圧搾した領域ほど強く膨らみます。


ドライバーを更新しない場合は、下記の環境変数を設定して、この機能を無効にすることもできます。HOUDINI_OCL_FEATURE_DISABLE=CL_DEVICE_DEVICE_ENQUEUE_SUPPORT


■Vellum ファブリックプリセット

クロスシミュレーションの設定を幸先良くするために、コンテンツライブラリには8つの異なる布生地が含まれ、それぞれに固有の物理的挙動とシェーダが備わっています。これらは、シルク、ベルベット、ウール、レザー、ジャージー、レインコート、刺繡付きチュール 、ジーンズなどが含まれています。

■ファブリックセットアップのダウンロード

SideFX Content Libraryから物理的なプロパティとシェーダーを設定したファブリックをダウンロードできます。


■RBD Material Fracture SOPのロード時間が最大50%短縮されました。


■Concreteマテリアルの接続性パーティションのコントロールが強化されました。


■アトリビュート別に破片ピースの数を制御することができます。

コンクリートマテリアルでは、ピースのボリューム、最大軸長、またはアトリビュートによって散布点の数をスケーリングするオプションが追加され、非常に小さなピースが再破砕するのを防ぐのに役立ちます。


■カスタムガイドシミュレーションを構築するためのRBD Guide Setup SOPとRBD Guide DOPが追加されました。

RBD Guide Setup SOP RBD Guide DOP


■RBD Interior Detail SOPの新しいパラメータ

RBD Interior Detail SOPに新しいPoint Depthパラメータが追加されました。このパラメータは、オブジェクトのサーフェス内の各ポイントの深度を含むアトリビュートを作成します。


■アトリビュートの変換をサポート

Transform Pieces SOPは、2番目と3番目の入力でパックされたプリミティブを使用して、変換を行ないます。また、最初の入力ジオメトリのすべてのアトリビュートの変換をサポートします。


■RBD Connected Faces SOPでのフェイスの識別

RBD Connected Faces SOPは、複数の破砕を結合する際に、フェイスの組合せを正しく識別する場合に効率的です。


■RBD Disconnected Faces SOPで、ジオメトリサブセットを操作するオプションが追加されました。


■変形する静的オブジェクトに接着させたピースは、オブジェクトの全体的なリジットモーションに従います。


■Bulletソルバは、変形する静的オブジェクトに対して、正確に線形と角度の速度を計算します。


■ノイズがジオメトリ内部の切断平面を押し出す時のエッジの細かな切断が改良されました。


■改良されたRBD Exploded View SOP

RBD Exploded View SOPに3つの出力が追加され、通常のRBDノードストリームの一部として使用できるようになりました。

また、ジオメトリを点検するためにツールを使用しながら、問題のあるピースがあれば、それに対する新しいプロキシを生成する機能も備えています。


■カスタムカッタートリミングとブーリアン非三角形化設定をコントロールすることができます。


■Fracture Namespaceパラメータの追加

ボロノイ破壊とブーリアン破壊に、Fracture Namespaceパラメータが追加されました。
これは、新しいピース名を追加する前に、既存のNameアトリビュートに対して、プレフィックスを追加するRBD Material Fracture SOPのオプションに一致します。


■Extract Transform SOPの改良

Extract Transform SOPの新しいモードとして、[Translation, Rotation, and Non-Uniform Scale]が追加されました。これは、平行移動と回転に加えて、ポイントを不均一に拡大縮小できます。

[Standard Instance Attributes]によって、標準のInstanceアトリビュートの代わりにMatrixアトリビュートを出力できるようになりました。


■Destruction LOPを使用して、LOP内のDestruction FXを簡単に設定できるSolarisのダイブポイント


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■改良されたRBD Bullet Solver

「Bullet World Scale」パラメータを使用して、簡単にシミュレーションをスケールダウンさせることができます。


FEM/コンストレイント

FEMには、アタッチとスライドのコンストレインが追加され、シミュレーションのさまざまな部分間でより物理的な接続が可能になりました。物理的に正しいソルバ挙動にはボリューム保存が含まれ、クロスシミュレーションで同じ効果を試すのとはまったく異なるルックを実現できます。

■新たに追加されたFEM Attach Constraint DOP

新しいFEM Attach Constraint DOPノードを使用すると、FEMオブジェクトを別のFEMオブジェクトや、静止したまたはアニメーション化された静的オブジェクトにアタッチすることができます。
たとえば、このコンストレイントを使用し、FEM Slide Constraint DOPと組み合わせて、筋肉をボーンにアタッチしたり、皮膚のしわを作成することができます。

FEM Attach Constraint DOPは、ソースオブジェクトのポイントをターゲットサーフェス上の相対的な位置にくっつけます。 
直接的な付着に加えて、コンストレイントの静止距離を使用して、コンストレイントが動きを制限し始める前に、ソースオブジェクトに相対的な動きを作成することもできます。
FEM Attach Constraint DOPは、FEM Fuse Constraint DOPよりも柔軟性がありますが、これは、そのコンストレイントが二地点間の対応を必要とするためです。

下の動画では、コンストレイントが適用されたボックスがトーランスの表面に貼り付いていることが確認できます。


■新たに追加されたFEM Validate SOP

新しいFEM Validate SOPノードは、FEMシミュレーションに送る前に、四面体メッシュの内部のプリミティブも、シミュレーションジオメトリの品質を点検することができます。
FEMは、シミュレートされたプリミティブの品質が良い場合には、より速く実行され、より良い結果が得られます。
FEM Validate SOPは、シミュレーションメッシュ内のプリミティブの品質を、赤(悪い品質)と緑(良い品質)の間の色のグラデーションを使用して視覚化させることができます。

これまでは、FEM Solver DOPノードを使用してqualityアトリビュートを生成し、シミュレーションジオメトリの品質を点検することしかできませんでした。
FEM Validate SOPは、FEMSolver DOPが生成するのと同じような品質基準で、ソルバを実行することなく確認できます。
FEM Validate SOPは、シミュレーションジオメトリの点検プロセスを大幅にスピードアップします。

下の動画では、四面体メッシュの品質を視覚化しています。


■新たに追加されたFEM Slide Constraint DOP

新しいFEMSlide Constraint DOPでは、FEMオブジェクトを別のFEMオブジェクトの表面に沿ってスライドさせたり、静止またはアニメーションしている静的オブジェクトの表面に沿ってスライドさせることができます。
例えば、このコンストレイントを利用して、ボーン、筋肉、筋膜上にスキンを滑らせるような効果を作成したり、筋肉の間に粘着性のある滑りを設定することができます。

FEM Slide Constraint DOPは、オブジェクト間の相対的な接線方向の移動を可能にしながら、ソースオブジェクトとターゲットオブジェクトを強制的に接触させます。
基本的には、ソースオブジェクトは磁気であるかのように動き、ターゲットオブジェクトは滑りやすい表面であるかのように振る舞います。
滑る動作に加えて、コンストレイントのダンピングコントロールを使用して摩擦のような効果を作成することもできます。

下の動画では、コンストレイントが適用されたボックスがトーランスの表面に沿って滑っていることが分かります。


■シミュレーションのパフォーマンスが向上しました。


■Accurate constraint evaluation at large time-steps.


■グルーミングの性能を10倍以上高速化しました。


■ロングヘアの生成を5倍以上、ショートヘアの生成を2倍以上高速化しました。


■ヘアの束の計算が2倍以上高速化しました。


■効率的なヘアーの変形

生産効率を上げるガイド変形メソッドとして、Hair Generateのウェイトを使用するか、または、非常に安定した滑らかな補間になるように、重心ウェイトを計算することができます。


■Guide primitiveアトリビュートのfloat以外のアトリビュートに対応

Guide primitiveアトリビュートがfloat以外の型に対応しました。float以外のアトリビュートでは、ヘアは最も近いガイドの値を取得します。


■HAPI: Pythonレイヤー

HAPI用のPython APIが追加されました。


■Docker/Swarmのサポート

リモートでHoudiniプロセスをスピンアップして、通信ができるようにコンテナ化に対応しました。


■Unrealプラグインの新しいバージョン(ベータ版)

Houdini Engine for UnrealプラグインがV2(ベータ版)になりました。 新しいバージョンでは、BSPブラシ*をサポートしています。

*BSP (Binary Space Partitioning:バイナリ空間分割) とは、専門的には、空間内でオブジェクトを構成するために使用されるデータ構造のことです。

PDGとワールドコンポジションをサポートしました。


■Kine FXとUE4間のライブリンクの連携


■Webサーバーのプロセス間通信のサポート

Webサーバーがプロセス間通信に対応しました。 


■ボリュームパーツ(HAPI_PARTTYPE_VOLUME型)からアトリビュート情報とアトリビュートデータを取得できるようになりました。


■新しい HAPI_GetOutputNodeIdメソッドは、SOPネットワークの出力ノードを返します。


以下の機能は、バックポートとして既にHoudini18.0で実装されました。

■ユーザー定義可能な python ツールによるSession Sync

UnityプラグインやUnrealプラグインと複数セッション間で、双方向に通信できるようにするためのHoudini Engine SessionSyncが追加されました。


■HAPI: HDAアセットパラメータへの効率的なアクセス

明示的にHDAを作成することなく、HDAパラメータを照会することができるようになりました。