~“Point Split SOP”~
前回に引き続きHoudini18.0にて新規に追加されたSOPノードの解説を行います。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。
※本記事ではHoudini 18.0.416を使用しています。
今回はPoint Split SOPについて解説していきます。
Point Split SOP
このノードは、Houdini 18.0にアップデートされた際に新しく追加されたノードになります。
このノードの機能は、複数の面に共有される頂点ポイントを分割するものです。
では使い方を説明していきます。
このノードの使い方は非常に簡単で、ノードを接続したのちに分割したいポイントを選択するのみとなります。そうすることにより、選択されたポイントが各プリミティブごとに頂点が分割されます。
今回は下のような
Size:10×10
Rows:3
Columns:3
のグリッドを用いて説明していきます。
このグリッドに対して各プリミティブの頂点を分割していきます。
まず初めにこの状態でのポイントを確認してみます。
ポイント番号を可視化したものとその際のGeometry Spreadsheetが下のようになります。
この画像からわかるように頂点が0~8の9ポイント存在しています。
このグリッドに対して「Point Split SOP」を用いて頂点を分割していきます。
今回はすべてのポイントに対して分割を行います。(デフォルトではすべてのポイントに対して分割が適用されます。)
ポイントを分割した際のポイントの可視化とGeometry Spreadsheetが下の画像となります。
ポイント番号が被っており、見にくくなってしまっていますが、他のプリミティブと共有する頂点をもっているポイントが複数のポイントに分割されています。
画像下側のGeometry Spreadsheetを見るとよりわかりやすいと思います。デフォルトでは0~8の9ポイントしか存在していませんでしたが「Point Split SOP」を有効にした後では0~15の16ポイントに据えていることが分かります。
このようにポイントを分割していくことができます。
では、具体的にどのようにポイントが分割されたかを説明していきます。
今回のジオメトリは4枚のプリミティブから構成されるGridとなります。そのグリッドの持つ全てのポイントに対して分割を行った場合は、各ポイントに対していくつのプリミティブと頂点を共有する子を検索します。その後にその数に合わせてポイントを分割します。
そのグリッド内でプリミティブが共有する頂点ポイントの数を見やすくしたものが下の画像となります。
この画像のように各ポイントが共有するプリミティブの角は
ジオメトリの4つ角:1つ
各辺の中心のポイント:2つ
ジオメトリの中心のポイント:4つ
となります。
各ポイントはこの数に合わせた数に分割されます。
今回のジオメトリでは上記の各種類のポイントが
ジオメトリの4つ角:4点
各辺の中心のポイント:4点
ジオメトリの中心のポイント:1点
ずつあるため、合計のポイント数は
1×4+2×4+4×1=16
となります。
また、このポイントを分割した際のポイント番号は下の画像のように割り振られて行きます。
このように分割されたポイントはデフォルトで持っているポイント番号に追される形となります。
以上のようにポイントが分割されていきます。
では次にパラメータについて説明していきます。
パラメータは下のようになっています。
「Group」
分割するポイントを指定するパラメータです。
「Group Type」
選択するグループのタイプを指定するパラメータです。
「Attribute」
指定されたアトリビュートがその下にある「Tolerance」よりも大きく変動した場合、そのポイントのみを分割します。
「Tolerance」
「Attribute」で指定したアトリビュートがこの数値を超えた場合にポイントを分割します。
「Promote to Point Attribute」
「Attribute」で指定したアトリビュートをポイントのアトリビュートに対して追加します。
以上がパラメータの説明となります。
それでは最後にこのノードの使用例を説明していきます。
今回は分割されたポイントに対して別々の色を付けていきます。
今回は
Size:10×10
Rows:3
Columns:3
のグリッドを用いて説明していきます。
このグリッドに対して下の画像のように赤く丸のついたポイントを分割しています。
分割した際のポイント番号は下の画像のようになります。
このように通常のポイント番号の後に追加される形でポイント番号が追加されます。
このポイントに対して「Color SOP」を用いて分割されたポイントに対して別々の色を付けていきます。今回は
4番のポイントに対して赤色
9番のポイントに対して青色
10番のポイントに対して黄色
11番のポイントに対して黒色
を付けていきいます。
色を付けたのが下の画像となります。
このように通常のポイントに対しては行うことのできないような色付けを行うことができます。
以上が「Point Split SOP」の使い方となります。
このようなポイント操作が行えることにより、モデリング等の自由度がさらに上がります。
こちらの記事のhipファイルが以下のURLからダウンロードできますので興味のある方はご確認ください。 https://www.dropbox.com/sh/1hme1jaoycoep0p/AACgbacrkBc8zAN5gMZ9JfwRa?dl=0