Houdini 18 SOP No.18 “Orientation Along Curve SOP”


~“Orientation Along Curve SOP”~

前回に引き続きHoudini18.0にて新規に追加されたSOPノードの解説を行います。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。

※本記事ではHoudini 18.0.416を使用しています。

今回はOrientation Along Curve SOPについて解説していきます。

 

Orientation Along Curve SOP

このノードは、Houdini 18.0にアップデートされた際に新しく追加されたノードになります。
このノードの機能は、曲線に沿った方向(フレーム)を計算するものです。

このノードは、曲線の接線方向に基づいて、参照フレームの方向を計算します。これには、upベクトルと追加の回転を指定するためのさまざまなオプションがあります。また、パスに沿って移動する、またはパスに沿ってコピーまたは構築されるジオメトリの方向を制御するのに役立ちます。これらの設定できる接線方向は、以前説明したCopy to Curves SOP(リンク張る)と同じです。

このノードの機能の基本的な機能、使い方はCopy  to Curve SOPと多くの共通点があります。しかし、このOrientation Along Curve SOPはCopy  to Curve SOPと比較してアトリビュートのアウトプットの種類が多く、形状・向きの調整の自由度が高くなります

では詳しく説明していきます。

まず初めにパラメータについて説明します。

「Orientation Along Curve SOP」と「Copy  to Curve SOP」のパラメータを比較したものが上の画像になります。

赤く囲われたパラメータが共通するパラメータとなります。
この部分の具体的な説明は以前説明した「Copy  to Curve SOP」をご覧ください。

このノードにある「Output Attributes」がこのノード特有のパラメータとなります。ここではそれぞれのパラメータに合わせたアトリビュートを出力することができます。

「Class」
 出力するPointまたはVerticesのアトリビュートを指定します。
「X Axis」
 有効にすると、ここで設定したベクトルアトリビュートが出力されます。 
 このアトリビュートは、カーブの接線(z軸)とupベクトル(y軸)に垂直なベクトルとして出力されます。
「Y Axis」
 有効にすると、ここで設定したベクトルアトリビュートが出力されます。 
 このアトリビュートは、カーブの接線(z軸)とupベクトルに相当します。
「Tangent (Z Axis)」
 有効にすると、ここで設定したベクトルアトリビュートが出力されます。
  このアトリビュート値は、曲線の接線方向に相当します。
「Translation」
 有効にすると、ここで設定したポジションアトリビュートが出力されます。
 このアトリビュートは、 「Transform Using Point Attributes」 が有効な場合には、“P”、“pivot”、“trans”、“transform”のアトリビュートから求められる移動量に相当します。
  「Transform Using Point Attribute」 が無効な場合には、“P”に相当します。
「Quaternion」
 有効にすると、ここで設定したクォータニオンアトリビュートが出力されます。
  このアトリビュートは、曲線に沿った向きに相当します。 
「3×3 Transform」
 有効にすると、ここで設定した3×3トランスフォームマトリックスが出力されます。
 ここで出力される値は、 カーブに沿った向き、スケール、シアーに対応する出力に作成されます。
「4×4 Transform」
 有効にすると、ここで設定した4×4トランスフォームマトリックスが出力されます。 
 ここで出力される値は、カーブに沿った向き、スケール、シアー、移動量に相当します。

以上がパラメータの説明となります。

 

ではこのノードの使い方を説明していきます。

このノードはCopy to Curves SOPとは異なり、このノード自体にコピーの機能はなく、曲線に沿った法線を計算し、出力する必要があります。
そのため、複製を行う場合には別にCopy系のノードを使う必要があります。

今回は下の画像のような5角形に対してこのカーブに沿ったモデルのコピーと移動を行います。

この5角形に対してResampleを行いポイント数を増やします。

そのポイントに対して「Copy to Points SOP」を用いてモデルをコピーした物が下の画像になります。

次に「Copy to Points SOP」前に「Orientation Along Curve SOP」を挿入した物が下の画像になります。

このように「Copy to Curves SOP」を用いたときのようにデフォルトで設定された法線方向を用いて、コピーを行うことができるようになります。
この際の方向は「Copy to Curves SOP」と同様に設定することができます。

以上のように、このノードを用いることにより「Copy to Curves SOP」を用いずにエッジの接線を利用した向きでのコピーを行うことができます。

この向きは「Orientation Along Curve SOP」よりも上流で設定したアニメ―ションに対しても各フレームで移動した場所での接線を計算し、適用することができます。

今回は「Carve SOP」を用いてエッジ上のポイントを下の動画のように動かしていきます。

この動いているポイントに対してジオメトリをコピーしたものが下の動画になります。

このようにエッジの接線を用いて向きを設定しコピーすることができます。

以上が「Orientation Along Curve SOP」の説明となります。

 

このように「Orientation Along Curve SOP」を用いて法線方向を設定することができます。このノードを用いることによりエッジの接線を用いたモデルのコピー、移動の向きの設定等を行うことができるようになります。それにより、アニメーション、モデリングの幅が広がります。

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