~“Visualize SOP”~
今回は追加として、可視化に有効なVisualize SOPの解説を行います。
前回の記事をご覧になられていない方はこちらからご覧ください。
※本記事ではHoudini 18.0.460を使用しています。
今回はVisualize SOPについて説明していきます。
Visualize SOP
このノードは通常では、可視化されていないアトリビュートなどを可視化することが可能なノードとなります。
このノードは、法線方向やPのベクトル方向等を可視化することが可能です。ジオメトリの法線を視覚的に確認しながらの調整などに役立ちます。
それでは具体的な説明を行います。
Visualize SOPを作成する方法は2種類あります。
1つ目は通常のように“Tabキー”を押すことによって作成する方法
2つ目はビジュアライズをしたい対象のノードを選択した後、“Xキー”をクリックする方法
の2つになります。
では、パラメータについて説明します。
パラメータは下のようになっています。
このように2つのタブに分かれています。
「Parametersタブ」はジオメトリの見た目のワイヤーフレームの変換やポイントの表示を行うことができます。
「Visualizersタブ」ではポリゴンやボリューム等の各タイプでどのような要素を可視化するかを選択することができます。
基本的に主に用いられているのは「Visualizersタブ」の設定となります。
「Visualizersタブ」
このタブの一番上にある「Active」のトグルを有効にすることによりビジュアライズを有効にすることができます。
「Type」のプルダウンでは可視化する対象のジオメトリの種類を選択することができます。デフォルトでは「Color」となっており、可視化を行った際には指定されたアトリビュートを色として表示させます。
では実際の使い方を詳しく説明していきます。
今回は下のようなテストジオメトリを用いて説明を行います。
まず初めにデフォルトで接続した場合にどのように変化するかを確認します。
このジオメトリに対してVisualize SOPを接続します。
このように色の変化があります。
その際の結果が下の画像となります。
デフォルトの設定では各ポイントの位置に合わせた色を変化させることができます。これを用いることにより、ジオメトリの位置を視覚的に確認することができます。
では次に別の各軸のサイズによる可視化について説明します。
下の画像のように
「Type」はデフォルトの“Color”
「Color Type」を“Ramped Attribute”
に変更します。
そうすることにより画像のようなランプパラメータが出てきます。
変更した後の結果は下の画像のようになります。
このようにビジュアライズされた結果の変化が分かると思います。しかし、まだ各軸ごとの距離の可視化はできていません。
各軸を可視化するためには下のパラメータの赤色で囲われている「Treat As Scalar」を有効にする必要があります。
ここを有効にすることによって新しいパラメータが作成されます。
それと同時にビジュアライズの結果にも変化があります。
下の画像が有効にした際のビジュアライズの結果となります。
このように変更されます。
この状態は「X軸の距離」で色を付けた可視化となります。そのほかの軸からの距離で可視化を行う場合は「Using」のパラメータを変更する必要があります。このパラメータは
0:X軸での距離
1:Y軸での距離
2:Z軸での距離
となります。各数値のビジュアライズ結果は下のようになります。
このように距離に応じた色付けを可視化して、ジオメトリのサイズ、位置等を測ることができます。
また、ランプパラメータを下の画像のように変更することで、色付けの範囲・色を変更することができます。
では次にポジションの方向と法線方向の可視化について説明します。
下の画像のように
「Type」はデフォルトの“Marker”
「Style」を“Vector”
「Length Scale」を“0.2”
に変更します。
今回は「Attribute」がデフォルトの“P”となっているのでポジションの方向の可視化を行うことができます。
可視化を行った結果が下の画像となります。
このように各ポイントの方向がラインによって可視化されます。
さらに法線の方向を可視化するには「Attribute」のパラメータを変更する必要があります。先ほども記述したようにデフォルトでは“P”が入っています。このパラメータを“N”に変更することによって法線方向を可視化することができます。
変更した結果が下の画像となります。
このように可視化された結果が変わり、法線方向を表示することができます。
このように法線方向を表示させることにより、法線方向を用いた操作を行う場合に任意の方向を設定しやすくなります。
それによって下の動画のように、法線方向をベースとしたvector方向をパラメータによって変更できる状態にした際に、Vector情報の方向が視覚的に確認できるので方向の設定が非常に容易になります。
このように通常では見ることのできない情報を可視化し編集することができるようになります。
次にボリュームの断面の密度の可視化について説明します。
※ボリュームデータの断面の密度の可視化を行う際には入力されるデータがVolumeデータでなければなりません。
今回は先ほどと同じジオメトリをボリューム化した下の画像のようなモデルを使用します。
このボリュームデータの断面の密度を可視化します。
そのため先ほどと同様にパラメータを下の画像のように
「Type」を“Volume”
「Source Group」を“@name = density”
「Ghosting Level」を“0”
「Range」を“Min and Max”
に変更します。
この設定の可視化を行ったものが下の画像となります。
このようにボリュームの断面の密度を可視化することができます。
また、デフォルトではXY平面での可視化となりますが、「Slice Parallel To」を変更することによって別の平面を用いた可視化を行うこともできます。
以上がVisualize SOPの説明となります。
また、ビジュアライズの機能はノードを使用せずに行うことも可能です。
下の画像の赤く囲われたボタンはシーンビュー上でビジュアライズを有効にするボタンとなります。
このボタンを押して、ビジュアライズを有効にした後、ボタン上で右クリックをすることによって下の画像のようなオプションを開くことができます。
このオプションを拡大したものが下の画像となります。
この中にはビジュアライズ可能なノードが表示されます。このノードの名前の横側にある赤く囲われているプラスマークをクリックすることでビジュアライズを行うタイプの選択をすることができます。
クリックすることによって、新しく下の画像の赤く囲われた設定が表示されます。
ここで可視化したい「Type」を選択することによって選択された「Type」のビジュアライズを行うことができます。
※ここで表示される項目は「Visualize SOP」の「Type」のパラメータに相当します。
今回は例として「Color」を選択します。
選択すると、新しく下の画像のようなウィンドウが開きます。
このウィンドウは「Visualize SOP」のパラメータと全く同じものとなります。
ここで先ほど説明した「Visualize SOP」を用いた際と同様の設定を行うことで、ノードを使用せずにビジュアライズを行うことが可能になります。
例として一番最初に説明した、「ランプパラメータを用いた位置による色分けを行います。
「Type」はデフォルトの“Color”
「Color Type」を“Ramped Attribute”
「Attribute」は“P”
「Treat As Scalar」を“有効”
に設定します。
そうすると下の画像のようにジオメトリに対してランプパラメータを用いて位置による色分けを行うことができます。
この画像から見て、この設定で可視化を行った場合はノードが作成されません。しかし、ノードが作成されていないからと言って、設定が保存されていないわけではありません。
もう一度下の画像の赤く囲われたボタンを右クリックすることによって、ビジュアライズの有効・無効の設定を行うことができるようになります。
右クリックすると、設定を行う前とは異なり、新しく下の画像の赤く囲われた部分のような項目が追加されています。
この項目の左側にあるトグルを無効にすることによってビジュアライズを無効にすることができます。
今回は「Color」での設定を行いましたが、その他の「Type」を選択することよって状況に合ったビジュアライズを行うことができます。
以上がノードを使用しないビジュアライズの方法となります。
このように通常では可視化されていないアトリビュートを可視化することができます。それによってアトリビュートをより視覚的に操作することが可能となり、作業の効率が向上します。
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